ロマンスが降り注ぐ。《 Koki.Kuroda 》 (ページ22)

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帰ろうとかばんにノートなどを入れていたら、バタバタと忙しない足音が聞こえてものすごい勢いで黒田くんが走ってきた。

「コレ見て！！ヤバくね?!公開日来週からやん！」

『......あ！』

彼のスマホの画面には、私が黒田くんに最初に貸した少女漫画の公式ページ。そこの1番上に『実写映画化決定！』とともに、公開予定日が書かれている。

「ぜんっぜん知らんかった！Aちゃん知ってた?!」

『うん...観に行くつもり、だし』

「マジか！俺も超気になる！だって漫画マジ良かったもん！」

興奮気味に話す黒田くんに、ホントに良いって思ってくれてるんだなぁ〜と嬉しくなっていると、思わぬ言葉が降ってくる。

「ね！一緒に観に行こ？」

『えっ?!』

「いや?!あー......男1人じゃ入りづらいじゃん！ね?!だから！」

『ああ......え、でも。私じゃなくても』

「好きな物一緒の人と観た方が感想とかも喋れるやん？だから、お願い！」

顔の前で両手を合わせて「お願い」なんて言われたら、しかも黒田くんみたいなかっこいい人に誘ってもらえたら、断る理由なんかなくて。私で本当にいいのかな、と思いながらも頷くと、彼は嬉しそうに笑顔になった。

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