ロマンスが降り注ぐ。《 Koki.Kuroda 》 (ページ11)

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それから、なぜか黒田くん、檜山くん、渉くんの3人は私に話し掛けてくれるようになった。最初は戸惑うことの方が多かったけど、だんだん3人のやりとりを聞いていると楽しい気持ちになってきた。そして時々話を振られてドギマギしながら答えたら、優しく拾ってくれる。本当にいい人たちだなぁと思っている｡

「Aさん、マジありがとう。めっちゃ面白かった！」

『どういたしまして』

少し経ったある日、黒田くんは貸した少女マンガを読み終えたと紙袋を戻しにきた。その場で受け取ると、紙袋の中には可愛らしいうさぎの棒付きチョコが入っていた。

『可愛い......ありがとう』

「でしょ？それに、甘いもん好きでしょ？」

『......なんで、知ってるの？』

私がそう言うと、黒田くんはちょっとだけ焦ったような顔をする。だけど、すぐに柔らかく微笑む。

「......女子って甘いもの好きやん！」

『あ、そういうこと...』

ちょっとだけ、知ってくれてたのかな、なんて期待してしまった。だめだめ、欲張ったら。

黒田くんは「またなんか貸してね」と言って歩いていく後ろ姿をついつい目で追ってしまう。

今度はいつ、話せるんだろうって。

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