ヒミツ。《 nb × sk 》

019 ページ19

･


涼太には悪かったが、すぐにでもプロットを書きあげたかった俺は急いで帰宅した。その間に忘れないようスマホにメモを打ち込んで、ついでにあべちゃんにしょうたがいつ頃帰ってくるかも連絡した。

そして家についてバタバタと靴を脱ぎ捨て、そのまま寝室にあるパソコンを立ち上げておおまかなストーリーを打ち込む。そして、その勢いのままメインキャラクターとおおまかなキャラ設定を描き出す。主人公は地方から出てきたばかりの大学生がいいかな。上京してきて友だちもいなくて、たまたま立ち寄ったカフェで勉強する。そんな彼に大学に行くことを諦めて働いているカフェ店員が彼に好意を持ってサービスのコーヒーを出したことで2人の恋が発展していく...うん、いい感じだ。ちょっと年上の彼からのアプローチに翻弄される大学生っていうのは萌える...！

一気に描きあげたところで、ちょうどスマホの着信音が鳴った。すぐさま出れば、連絡しておいたあべちゃんからだった。



ab『もしもし、佐久間先輩！今しょうた先輩と別れたんで、多分20分くらいで帰るかと思います』

sk「ええっ?!お前ら、そんな近いとこで買い物してたの？」

ab『いや、目的のお店から戻る時に佐久間先輩から連絡きてたんで、時間稼ぐのにしょうた先輩のお話聞きながらファミレス行ってたんで』

sk「そうだったの?！マジあべちゃん神〜！おかげで、新作のプロット完成したわ」

ab『ついに佐久間先輩の初連載作品ですか?!わぁ...！掲載されるの楽しみにしてます！！』

sk「OK、決まったら教えてるね！ほんとありがとう！」



電話を切って、俺は急いで片付けを始める。

しっかり保存を確認してからパソコンの電源を落とし、クリアファイルに挟んで引き出しにしまった。そして何事もなく夕飯の支度を始めるとしょうたがタイミング良く帰ってきた。あ、やべ。脱ぎ捨てた靴直すの忘れたわ。


･

020→←018

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す