第1ステージ#003 ページ9
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稲葉は1人で黙々と音楽室を捜索していた。1人での行動も割と平気なタイプの彼は、思いつく限りの箇所を捜索する。すると、ガラッと勢いよくドアを開けて誰かが入ってきた。咄嗟に身を隠して様子を窺うと、見慣れた顔がいたのでホッとして話し掛ける。
稲葉「瀧くん！よかった〜」
瀧「みっちー！みんないないからめっちゃ焦っちゃったよ」
稲葉「僕もだよ」
ニコニコ微笑み合う2人。腕時計のルールについて2人で確認をしてから、捜索の終わった音楽室を後にした。廊下の窓から外の景色を見ながら、稲葉が呟く。
稲葉「ここ、最上階みたいだね」
瀧「ホントだ！たっかー...屋上行けたりもするのかな？」
稲葉「え。立ち入り禁止じゃないの？」
瀧「みっちー考えてよ。ここはゲームの中だよ？有り得そうじゃない？」
稲葉「僕、頭固いからなー...あはは」
瀧の思いつきでとりあえず階段を探してみると、上り階段を見つけた。そのまま上がって見ると、見事屋上に出られた。しかも、2人の目の前には。
瀧「......え。宝って、あれじゃない？」
稲葉「え！隠してあるわけじゃないの?!」
屋上のフェンスに掛けられた銅のメダルが目に入ったのだ。あまりにも目立つ場所にあるため2人は驚いたが、これをプールまで持って行ってしまえば第1ステージクリアになり、メンバーを助けるのに1歩近づける。2人は、周囲を警戒しながらそのメダルに近づいた。そして瀧はサッとメダルを手に取った。次の瞬間、腕時計からアラームが鳴り響く。
『宝を発見しました。鬼の出撃まで、10秒前......』
瀧「やば！もうカウントダウン?!」
稲葉「とにかく、行けるとこまで下りよう！」
2人は慌てて屋上を飛び出し一気に階段を駆け下りる。プールの場所は分からないが、とりあえず1階に行かないと、と思っている中、カウントが0になり、それは突然だった。
瀧「......っ?!みっちーこれ持って走って！！」
稲葉「瀧くん?!わっ...?!」
瀧「いいから行って！！」
突然、瀧が稲葉に向かってメダルを投げたのだ。訳が分からなかったが、稲葉は指示に従ってそのまま駆け下りていく。すると、腕時計から『瀧陽次朗が捕獲されました』との通知が聞こえて焦る。
すぐ側に、鬼がいたんだ、と。
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翠恋(プロフ) - ななこさん» ななこさま、コメントありがとうございます！頑張って更新していくのでよろしくお願いします！ (2021年11月30日 20時) (
レス) id: fb1d0da99a (このIDを非表示/違反報告)
ななこ - 続きが気になります^_^🥺 (2021年11月29日 22時) (レス) @page17 id: 318396371e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翠恋
| 作成日時：2021年11月23日 22時
