第3ステージ#004 ページ40
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北川は楽しそうに振り返りながら走って行く。まるで9人を弄ぶかのようにのらりくらりと走る姿は、やっぱり仮想現実の世界だからなのか。しかし、今まで見てきた鬼のメンバーとは雰囲気がどことなく違うということを全員が感じていた。すると、北川は振り返りながら急に話し出した。
北川『ねぇ？俺の事追いかけて来るのはいいけどさ、肝心なこと忘れてない？』
星輝「肝心なこと...っ！」
いち早く気がついた星輝が辺りを見回す。その瞬間、勢いよく2階から飛び降りようとする影を見つけ、皆に知らせる。いつの間にか、忠告をした北川の姿は目の前から見失ってしまったが。
星輝「鬼だ！2階から下りてくる！」
瀧「1回散ろう！複数で分かれて拓実くんを探そう！」
山井「分かった！」
海琉「行こう！」
鬼に捕まったら、元も子もない。後方を走っていた山井、星輝は来た道を戻って距離を取っていく。悠仁、瀧、稲葉は近くの階段を駆け上がっていく。真っ直ぐ走って行く将聖、久保、長瀬、海琉が足音がして顔だけ振り返ると、狐のお面をつけた人物が1人。
？『__________......みーつけた』
囁くような声だったが、それは真っ直ぐ彼らの耳に届いた。狐のお面は勢いよく駆け出すと、真っ直ぐ進んだ4人に向かって走ってくる。目の前には広場の噴水が見え、長瀬が声を出す。
長瀬「二手に分かれるぞ！」
久保「はい！」
咄嗟に、長瀬と海琉、将聖と久保に分かれた。噴水を抜けた海琉はグッと長瀬に思い切り引っ張られ、転げ込むように雑貨屋のワゴンの後ろに身を屈めた。離れて行く足音に、静かに2人は呼吸を整える。
海琉「......ありがとう。長瀬くんに、また、助けてもらっちゃった」
長瀬「お互い様だろ？まぁ、あとの2人が大丈夫か心配だけど...」
すると、激しい物の衝突音が響いて2人してビクッと肩を揺らした。上からなにか落ちたような音に驚いていると、先程と同じ声は、囁くものとは程遠い怒号へと変わった。
？『ふざっけんじゃねぇぇ！』
海琉「......この声！」
長瀬「うん......間違いない、1人目は」
そっと顔だけ出した長瀬と海琉が音の先を確認すると、お面を投げ捨てたあの人の姿が目に入った。
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翠恋(プロフ) - ななこさん» ななこさま、コメントありがとうございます！頑張って更新していくのでよろしくお願いします！ (2021年11月30日 20時) (
レス) id: fb1d0da99a (このIDを非表示/違反報告)
ななこ - 続きが気になります^_^🥺 (2021年11月29日 22時) (レス) @page17 id: 318396371e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翠恋
| 作成日時：2021年11月23日 22時
