Episode : 046 ページ46
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そのまま迎えた夏休みは、実家に帰省して出された課題をこなしながら、特に変化もなく過ごしていた。
佐久間は寮に残ると言っていたので時々連絡をしてみると、保健委員だから部活動で怪我した時のために保健室にいることが多いと言っていた。それなら俺も、涼しい保健室で佐久間と一緒に課題やった方が捗ったな、なんて思った。
夏休みには花火大会とか、夏祭りとか、いろいろなイベントがあるのに、臆病な俺は何ひとつ佐久間を誘うことが出来ず。
iw「......呆気ない夏休みだったな」
kj「照にぃこれタイのお土産!ひとつ取ってなぁ〜」
iw「さんきゅ、康二」
クラスの奴ら全員と仲良くなった康二は登校して早々、クラスのみんなにタイのよくわかんないお菓子を配っていた。すると、クラス内が急にざわつき出した。その騒ぎに反応した康二が一目散に駆けていく後ろ姿を横目に見て、クッキーを齧った。
その方向には、テーブルに寄りかかるラウールと楽しそうに話す佐久間がいた。話の内容に合わせてくるくる変わる表情。周りも明るくさせる笑顔。そして、高めの声。夏明けなのに焼けもせず、真っ白な肌によく合う桜みたいな桃色の髪......ん?.........はぁっ?!
いつの間に髪染めたんだよ...?!
kj「にしても、さっくんピンク似合うなぁ。俺も染めようかな」
sk「めめに染めてもらったんだぁ。3年になったら出来ないからね」
ru「僕も染めようかな、ここ、髪色自由だもんね!」
確かに、夏休み中に佐久間は後半課題が終わらないって言ってたし、俺も話す機会なくて隣の部屋だけど顔見てなかったけどさ。
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作者名:翠恋 | 作成日時:2021年10月24日 0時