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Episode : 037 ページ37
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iw「......ありがとう」
大人しく受け取ると、満足したらしい佐久間はベランダから帰ろうとする。心配になって見送れば、やっぱり足を掛けただけでふらふらしていた。冷や冷やしながら向こう側に降りた佐久間に、後ろから声を掛けた。
iw「......危ないから、用がある時連絡してくれればここに来るから」
sk「いやいや！大丈夫だよ?!今度は明るい時にするし！」
iw「佐久間になんかあった方が嫌だし」
sk「......っ！」
iw「え？ど、どうした？」
そう言うと、突然両手で顔を隠してしまった佐久間。なにか不味いことでも言ってしまったかと気にしていると、佐久間は指先の間から目だけを覗かせて、呟く。
sk「......やっと、名前、呼んでくれたなぁって」
iw「あっ、ごめん...馴れ馴れしかった、よな？」
sk「違う！......嬉しくて。岩本くんに、ちゃんと認識されてるって思えたから」
iw「......認識どころか」
好きだよ
その言葉は、喉の奥で飲み込んだ。今はまだ早くて、佐久間を困らせてしまうだけだと思ったから。
iw「......もっと、知りたいから」
sk「......！めっちゃ嬉しい...！」
じゃあおやすみ、と部屋の中に消えてく佐久間。彼がいなくなったあとも、俺はしばらくその場を動けなかった。
胸のときめきが落ち着かなくて、ずっと隠してた顔の火照りを冷ましたくて。
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作者名：翠恋
| 作成日時：2021年10月24日 0時
