Episode : 033 ページ33
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6月に入り、梅雨がやってくると連日雨が降り続いていた。だけど、梅雨でも関係なくテスト期間は近づいていて、前よりも先生たちも「ここテストに出るぞー」だの「範囲に入るからなー」とかばかり口にするようになってきた。
あーあ、嫌な季節だなぁ...と溜息をつきながら昇降口で上履きから靴へと履き替えていると。
ru「ごめんね、佐久間くん」
sk「いーよいーよ!俺、図書室で勉強して帰るから」
mm「でも、今日観たいアニメの日でしょ?録画してないんじゃない?」
sk「大丈夫だって!後で動画サイト漁るし...それに、あべちゃん生徒会終わるだろうから、一緒に帰れるから!」
ru「......ほんっとごめんね!めめ、遅れちゃうから行こ!」
mm「ごめんね。また寮でね」
sk「うん!ばいばーい!」
そっと、靴箱の影からその様子を覗くと、1人になった佐久間がくるりと向きを変えて歩いてきた。隠れる場所なんてなく、そのまま戻ってきた佐久間と鉢合わせた。
sk「わぁっ?!い、岩本くん...」
iw「え、と......帰ん、ないの?」
sk「あっ...傘、なくて」
もしかして、傘がないから帰れない?
だから図書室で勉強だなんて......しかも、目黒が言ってた、観たいアニメの日だって。なら、尚更帰りたいはず...。俺は、自分の鞄の中から折り畳み傘を取り出して、佐久間に手渡した。
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作者名:翠恋 | 作成日時:2021年10月24日 0時