9人9色~恋模様~ (ページ18)

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転校生 × 青色ページ18

「はぁ...」

隣に並ぶ王子様のようなルックスの彼を横目に見ながら、小さくついた溜息

学級委員という肩書きだけで校内の案内役に決められてしまった

転校してきた伊野尾慧くんは、程よく染められた茶髪がよく似合う色白な綺麗な男の子

背も高くて細いためか、すれ違う誰もが振り返る

そんな彼の隣を、私が歩くなんて申し訳なさすぎて

手早く校内案内を済ませた

「で、ここが体育館...これで、終わり。」

「ふーん...そっか、案内してくれてありがとう。Aさん」

「いえ...ほかに、なにかある？」

きっと彼も早く帰りたいだろうと、そう思ってこれで最後と投げかけた言葉を

私はすぐに後悔した

「...と、...て？」

「え？ごめん、きこえなかっ...」

言いかけた言葉は、どうやら君に飲み込まれてしまったようで

そっと離れた唇の感触に、胸の鼓動がうるさい

言わなきゃ良かった

そしたら、後悔なんかしなかったのに

･

「__________Aさんのこと、教えてほしい」

･

私も、伊野尾くんについて知りたくなっちゃったじゃん

(End.)