甘くて、優しい。《 in × ar 》 (ページ3)

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告白① ページ3

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伊野尾慧先輩こと、いのちゃんと出会ったのは、高校の入学式。

桜がはらはらと舞う中で、俺と知念は2人で高校生活に胸を踊らせていた。

『知念、同じクラスで良かった』

『だいき、僕がいないと友達いないからねぇ』

『はぁ?!お、お互い様だろ！』

ふざけてそんな話をしていたら、入学式終わって早々、部活の勧誘で正門までの道がごった返していた。うわぁ...人混みとか、嫌だなぁ。

知念はその小柄な体と、愛想笑いを振りまいて上手く勧誘を断りながら進む。けど、俺にはそんなの出来なくって、人混みにもまれてしまう。やば。知念行っちゃう...と、そんな時。

『ほらほらぁ！新入生困ってるでしょ、どいたどいた！』

少し高めの声が耳に聞こえたかと思うと、グイッと腕を引かれた。パッと顔を上げると、そこには、優しく微笑むいのちゃんがいた。

『......大丈夫？こっち、おいで』

『はっ...はい......』

元気だけが取り柄だと思って生きてきたのに、この時の俺は、あまりにもしおらしい女の子みたいな返事しか出来なかった。

きっと、この瞬間に、俺は恋に落ちていた。

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