甘くて、優しい。《 in × ar 》 (ページ11)

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噂② ページ11

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「あー。もしかして昔のこと聞いたの？」

「......昔？」

「隠しててもしょうがないから言うけど、若気の至りというかぁ...それなりに遊んでた時期もあったからね」

いのちゃん先輩の口から、サラッとそんな発言が飛び出して、俺は開いた口が塞がらなくなる。そんな......俺は、初恋だっていうのに...。

そんなヘラヘラとしたいのちゃん先輩に、知念は「最低ですね」と毒を吐く。

けど、その後のいのちゃん先輩は、優しく微笑んだ。

「でもね、今はだいちゃんに出会って、今までの自分がいかに愚かだったか痛感したの。

......だから、今はだいちゃん一筋だから、安心して」

__________......ずるいなぁ、先輩は。

そんなことを言われたら、もっともっと好きになる。

「......だいちゃん泣かせたら、僕が許さないですよ！」

「おー。だいちゃんはお友達からも愛されてるね」

「僕とだいちゃんは大親友ですから！」

「ふふっ。いいね、それ。...さて、と、だいちゃん、帰ろっか？」

「あっ......はい、知念、またね」

小さく手を振って歩き出せば、知念は大きくぶんぶんと手を振ってくれていた。俺のために、怒って、立ち向かって、いい友達を持ったなぁ、としみじみ思った。

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