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しかし、サクマは話すのを辞めなかった。いつもはすぐにおふざけの始まる明るい彼からしたら、既にこの時点で疑問を持つべきなのに、フッカはそんなことはしなかった。だって人にはそういう気分もあるから、と素直に思ったからであった。しかし、もしかしたら、心に溜め込んでいたなにかを誰かに聞いて欲しかったのかもしれない。
桃「誘拐されたら、二度と会えないんじゃないかって皆思うからさ」
紫「......そうだよな」
桃「うん。元気かなぁ、生きてるかなぁ、どこにいるのかなぁ、って頭の中いっぱいになっちゃって、どうにかなっちゃいそうで」
紫「......サクマ？」
ふとサクマの名前を呼ぶと、彼はどこか遠くの方を見ているかのようにその瞳は焦点が合っていないように感じた。そして俺の声なんか聞こえてないんじゃないかと思うように、口は止まらない。
桃「__________だけどいつしか、諦めちゃうんだよ。
そして、忘れられていく。人間、忘れられた時が、きっと、1番......悲しい、よね......」
悲しそうに呟いたかと思えば、規則正しい寝息が聞こえてきた。まるで、当事者かのようなその言葉に、フッカはなんだかいたたまれなくなった。
サクマがどういう経緯でここに入り、家族とどんな関係で、どんなところで育ってきて、どんな人達に囲まれていたのかなんて、なんにも知らない。だってそれはお互い様だから。
子供のような寝顔で気持ち良さそうに眠るサクマに、膝にかけていた自分のブランケットをそっと掛けてやる。すると、キッチンでそれに気づいたリョウタが小さな声でフッカに話し掛ける。
赤「サクマの、ラップしておく」
紫「ありがと。助かるわ」
俺は起こさないように広げていた資料を纏めて、静かに部屋に向かって歩き出す。
このIX GUYSはサクマより賑やかな奴こそいないが、みんなそこそこ元気溢れるヤツらが多いから、資料を部屋に置いた俺はみんなの部屋を回りながら、夕飯とリビングのことを知らせに行った。
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蕾華(プロフ) - 翠恋さん» 返信ありがとうございます。わかりました。更新楽しみにしています！頑張ってください。 (2020年5月28日 9時) (
レス) id: 169f18cdbf (このIDを非表示/違反報告)
翠恋(プロフ) - 蕾華さん» 蕾華さま、コメントありがとうございます！ネタバレになるため詳しくは言えませんがご想像にお任せします！モチーフになっているグループはありますのでぜひこれからも読んで頂けると嬉しいです！ (2020年5月27日 22時) (レス) id: fb1d0da99a (このIDを非表示/違反報告)
蕾華(プロフ) - 毎回更新楽しませていただいております。もしかして、この孔雀とか狼ってSixTONESだったりします？ (2020年5月27日 22時) (レス) id: 169f18cdbf (このIDを非表示/違反報告)
椿と猫(プロフ) - 翠恋さん» いえいえ！これからも頑張ってください！応援してます！ (2020年5月23日 13時) (レス) id: 5dcbe78cc5 (このIDを非表示/違反報告)
翠恋(プロフ) - 椿と猫さん» 椿と猫さま、初めまして！ご指摘ありがとうございます！訂正させて頂きました！ (2020年5月23日 13時) (レス) id: fb1d0da99a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翠恋
| 作成日時：2020年5月16日 22時
