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その日から、俺はなんだか食欲が落ちて仕事をやらなきゃ、と無理に切り替えてきたせいなのか分からないけど、俺は高熱を出してしまった。
ふらふらの状態でとてもじゃないけど出勤出来そうになかったから、会社に電話を入れて休みをもらった。
あぁ...情けない、こんなことで休むなんて。
やぶ先輩に、もう呆れられてしまう。いや、そもそも先輩は俺なんか眼中に無かった。ただの仕事の後輩なだけ。
......俺って、めっちゃ引きずるタイプだったんだな...。
なんて女々しいんだ...
重い身体を引きずって、なんとかベッドまで戻ってきた。だけどそこでもう力尽きちゃって、そのまま目を閉じた。
次に目を覚ました頃にはもう夕方で、夕陽がカーテンから差し込んでいた。随分寝たな...そう思いながらも、まだ熱っぽくて頭がぼーっとする。とりあえず胃袋になんか入れて、薬飲まないと...。
__________......ピンポーン...
軽快なインターホンの音に、ゆっくり玄関の方へと向かった。玄関の鍵を開けて誰だろう...とそっとドアを開けると、そこに立っていたのは。
「......大丈夫か？」
「や、ぶ......せん、ぱ...」
「......?!八乙女?!」
あれ、もしかしてまだ夢の中なのかな？
先輩が、俺の家の前にいる。
そう思った瞬間、力が抜けて倒れこんだ俺を、優しく受け止めてかれた先輩。
ねぇ...諦められなくなるから、優しくなんて、しないでください。
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作者名：時雨
| 作成日時：2020年4月9日 19時
