どんなあなたも。《 Yb × Hk 》 (ページ25)

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やぶ先輩の後ろを追いかけていくと案の定「なんで来たんだ」みたいな顔をされたが、俺はそれにめげることなくついていった。

相手の工場長さんは、物凄く温厚で優しい人でやぶ先輩と2人で頭を下げたら「いいよ〜もう1回書けばいいんだからさ」と笑って許してくれて、本当に良かった。

会社への帰り道、やぶ先輩から「八乙女さ」と声を掛けられた。

「は、はい！」

「今回は許して貰えたけど、普通だったら有り得ないことだからな」

「......はい、本当に、申し訳ございませんでした」

「ホントだよ。ったく」

溜息混じりにそう言われてしまい、正直、かなり落ち込んでいる。

やぶ先輩の後ろを歩いていると、突然、グイッと腕を引っ張られて顔を上げた。驚いているとやぶ先輩はなにも言わず、ただ俺の腕を引くだけでどこに連れて行かれるのか恐怖のどきどきのが今は強い。

しかし、先輩が脚を踏み入れたのは、ちょっと小洒落たコーヒーショップだった。

「......ブラックとカフェオレ。1つずつお願いします」

「かしこまりました、2点で700円になります」

「あ、あのっ...」

「お前、どっか席取ってこい」

ぶっきらぼうにそう言って、やっと解放された腕。

だけど今はこれ以上怒らせないようにしよう、と、俺は慌てて店内に席を確保しに行った。

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