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赤「これ、試しに春の新作用のケーキ作ってみたんだけど、味見してくれない?」
橙「え?!ええなぁ!ラウール!」
紫「へー、可愛いじゃん」
白「食べたい!」
舘さんが僕の目の前に持ってきたのは、薄紅色のクリームにピンク色のチョコレートを桜の花びらの形にして散らした可愛らしいケーキだった。
阿部くんが「ルビーチョコレートだ!」ってなんか興奮してる...のは放っておいて僕が1口食べてみるとほんわかした甘みが口いっぱい広がり、後から程よい酸味がやって来て爽やかな気持ちになった。
白「すっごい!めちゃくちゃ美味しい!」
赤「そう?良かった」
橙「ダテ!俺も食べたい!」
赤「康二はだーめ。新作出したら撮影がてらお店に食べに来て」
そう言って笑った舘さんが、急に僕の顔に手を添えた。
そしてそのまま、親指で唇をなぞった。どうやら、クリームがついてたみたい...なんか、恥ずかしい...!
......と、次の瞬間。
青「......なんだよ!最近ラウールラウールって...そんなにラウールがいいのかよ!」
空気をピリッとさせるほどの、大きな声を出したのはお風呂上がりの翔太くんだった。
彼は、肩にかけたタオルをぐっと握って僕たちの方を見る。その行動に戸惑ったのは、もちろん舘さんだ。
赤「待って、翔太。急にどうしたの」
青「そんなにラウールが良ければ、ラウールと居ればいいじゃんか!」
赤「は?ねぇ、本当にどうしたの?」
青「涼太はぜんっぜん分かってない!ずっと一緒にいたのは俺なのに!1番近くにいたのは俺なのに!なんでっ...あーもう!」
赤「......翔太、」
青「んだよ!どうぜ面倒臭いやつだとか思ったんだろ?!ただの幼馴染みのくせにって!」
赤「翔太、待ってって」
青「お前にとってはただの幼馴染みかもしれないけどなぁ?!俺にとって涼太はだっ...?!」
そこで、翔太くんはようやく静かになった。
というか、静かにさせられた。の方が正解だ。
舘様が、翔太くんの肩に手を置いて、
その......翔太くんの唇に、自分のを重ねていたから。
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akiaki(プロフ) - すっごいかわいいお話!素敵な世界観ですね。ひとこと一言にみんなの個性が出ていてとても楽しく一気読みしてしまいました。素敵なお話ありがとうございました。 (2022年9月24日 0時) (レス) @page50 id: aa9a6e18cc (このIDを非表示/違反報告)
翠恋(プロフ) - 雪菓子さん» 雪菓子さま、コメントありがとうございます!書いてる側としてはそう言って頂けるのがなによりも嬉しいです!!また別のお部屋でお会い出来るのも楽しみにしてますね、ありがとうございました (2020年4月1日 7時) (レス) id: fb1d0da99a (このIDを非表示/違反報告)
雪菓子 - とっても面白かったです!書き方が上手くて話に引き込まれました!(上から目線みたいですいません…!)ラウちゃん可愛かったです!いいお話を有難うございます! (2020年4月1日 3時) (レス) id: 79575da459 (このIDを非表示/違反報告)
翠恋(プロフ) - ピピさん» ピピさま、コメントありがとうございます!そう言って頂けて本当に本当に嬉しいです!ありがとうございます!またほかの作品で出会えるのを楽しみにしてます。これからもどうぞよろしくお願いいたします! (2020年3月30日 1時) (レス) id: fb1d0da99a (このIDを非表示/違反報告)
ピピ - すごく感動しました!! ラウール可愛すぎです(*≧∀≦*) この作品に出会えてよかった(*TーT)b (2020年3月30日 0時) (レス) id: 952dfd1f8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:時雨 | 作成日時:2020年3月1日 22時