ラウールくんはキューピット！《 sn × sn 》

カップルとキューピット。 ページ16

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阿部くんの素晴らしい告白に感動したまま僕がノートを開くと、2人のページに大きくて真っ赤なハートがついた。

無事に1組目のキューピットが出来たんだ！って、喜んでいると、次のページにまた名前が浮き上がってきた。僕は次はどんな人かウキウキしていたら、その名前を見て思わず声が出てしまった。




白「めっ...目黒蓮っ?!」

黒「......なに、急に人の名前フルネームで叫ぶとか笑」

白「うわぁ?!な、なんか、言いたくなっちゃったぁ...あはっ」

黒「ふぅん」





目黒くんと一緒に帰っていたことを忘れていて、慌ててポケットの中にノートをしまう。

後でゆっくり確認しなくちゃ...と思っていると突然目黒くんが振り返る。





黒「そういや、ラウールって家どの辺なの？暗いし、送って行くよ」

白「え?!え、えーっと...」

黒「......ラウール？」

白「......う、ううっ...」





どうしよう、困ったことになった...

上手い答えが出てこなくてただただ口篭る僕に、目黒くんは小さく溜息をついた。そして「もしかしてだけど」と呟く。




黒「......家出、とか？」

白「...そ、そう！家出！うん、僕家出してきたから今お家ないんだよ！！」

黒「はぁ？なんだよ、それ。ご両親心配してんじゃね？」

白「いや、僕親なんていないよ？」




天界じゃそんなのないからね、と思わず口に出しそうになったのをなんとか飲み込んだ。

すると、目黒くんは何を思ったのか、口元を抑えて気まずそうな顔をしてから、しばらくなにか考えているようだった。

待ってると彼は思わぬ言葉を投げ掛けたのだった。



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