大事なひと。《 JW赤 × JW緑 》

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「なかなか整理出来んくてね......そのまんまになってしもうてるんよ」


「なかなか捨てられんですよね、こういうのって」


「重岡くん、なんか使えそうなんあったら適当に持っててもええで」


「ありがとうございます！」





ぐるりと部屋を見回して、ふと目に入ったのは照史のよく使っていた手帳やった。

いつもここになんでもメモしとったから、レザー調の手帳はかなり使い込まれたように感じられた。

なんとなく、手に取って開いたら1枚の写真がひらりと床に落ちた。それを拾い上げた瞬間、時が止まったかのように感じた。

写っていたのは、小学生低学年くらいの幼い照史と__________。





「......あの、これは...」


「あぁ......照史から聞いてへん？その子な__________」






照史のおかんから聞かされた話に、俺は驚いてばかりやった。

けど、なんとなく糸が繋がったような気もして、体も口も勝手に動いとった。





「これ、もらってもええですか...?!」


「ええよ、照史にとって、最後の未練やろうけどなぁ...」


「ありがとうございます！あの、また来ますね！お邪魔しました！」


「えっ......お、おん...ほんまありがとうな」






慌てて照史の家を飛び出して、駅まで全速力で走った。1番早い電車が来るのを待つ時間でさえ焦れったい。

なんで気づかんかったんやろ。今日がなんの日なんか。

手元に持つ写真を見つめて、俺はスマホの電話帳から1人の名前をタップしてすぐ着信を掛けた。






どうか、間に合いますようにと願いを込めて。




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