レンタル彼氏《 in × ar 》

Episode : 40 ページ40

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「いらっしゃいませ......ありおかくん、窓際の席でいいかな？」


「あ、はい！」





ウエイターの八乙女さんが気がついてくれて、俺をこの前の窓際の席へと案内してくれた。

ここでいのちゃんがいないか窓の外を見つめてたなぁ、とちょっと懐かしくなった。

ここのお店は八乙女さんのご家族が経営していたそうだが、今は八乙女さんが引き継いでいるらしい。美味しいオムライスを作ってるのも八乙女さんと聞いて、俺の中での八乙女さんの憧れ度がぐっと増した。





「ありおかくんの話は、伊野尾からよく聞いてたよ」


「そ、そうなんですか？」


「ああ。伊野尾も、君を探してこの店に来てたからね」


「ええっ...！やっぱり、ここに来てたんだ...」






オレンジジュースを頼むとさらさらと左手に持ったペンでオーダー表を書いていく。

そして、八乙女さんはふふっと笑いながら「伊野尾には内緒にしておいて」と言ってこっそり耳元で教えてくれた。





「物凄く好みの子がいたのに会えないって言ってて、特徴聞いたらありおかくんそっくりだからさ。この前似た子が店来てたよって話したらそりゃもうこの近辺探し回ってたから笑」


「......ふふっ、そうなんだ！」


「もう見つかった日なんて、『なんて言って会いに行こう』なんて考えてまくってたからね？よっぽど惚れてるんだなぁ」


「そ、そんなことっ...」


「お、噂をすればだね？じゃあまた」





八乙女さんにそう言われて窓の外を見ると、すぐそこにいのちゃんが立っていて。

慌てた様子で入ってきた姿に、思わず笑っちゃったよ。



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