オオカミ男と偽りのシンデレラ。second【 青 】

＊91＊ ページ41

･





「さ、どこ行きたい？」


「あれ......先輩、手帳...」






スマホを取り出した際に、生徒手帳を落とした先輩の代わりに拾う。

渡そうとしたら、なにか紙が挟まってて...さっき意地悪された仕返し、しちゃおっかな。




「これ、なんですか？」


「あっ...！ダメ！」


「えー？気になるぅ」


「ちょっと...あっ......」





生徒手帳だけ渡して、すっと抜き取った。

白い紙は小さく折り畳まれてて。それを広げたら、ん......これ、もしかして...






「......これ、体育祭の時の？」



「借り物競走の......だって、俺、そこでフラれたつもりだったから」








真っ白な紙の真ん中に

はっきりと書かれた文字。









･









" 大切な人 "









･







「......恥ず、俺」



「ううんっ......そんなこと、ないですよ」






そんなところにも、私はまた好きが募る。

恋って、幸せ。







偽りを捨てたわたしは、あなたと前を向いていく。






(End.)

あとがき。→←＊90＊

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す