オオカミ男と偽りのシンデレラ。second【青】 (ページ27)

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ホテルの最上階のレストランなんて、夢のまた夢だと思っていたのにっ...！！！

「おっ...美味しいっ......！」

「喜んでもらえて、なによりだよ」

煌めく絶景の街を見下ろしながら、高級感溢れる店内ではしゃぐ気持ちを抑えられないでいる私を見て、向かい側に座る薮先輩はにこにこと微笑んでいる。

なんと素敵なクリスマスなんだろう...！

他愛もない会話をして、流れるゆったりとした時間の中で、私は「薮先輩」と小さく呟いた。彼は「ん？」と余裕そうな返事をしてこちらを見るから、なんか緊張する。

用意していた紙袋を手渡すと、目を細めて嬉しそうに笑ってくれた。

「__________...メリークリスマス！」

「ほんとに?!ありがとう、Aちゃん！...開けてもいい？」

「はい！喜んでもらえたら、いいんですけど〜...」

子どものように「なんだろ〜」とはしゃぎながら袋を丁寧に開けていく薮先輩。

中からはネックレスとクリスマスカード。ネックレスはとてもブランド品を買うことは出来なかったけど、それでも、彼に似合いそうなシンプルなシルバーのクロスのネックレスを選んだ。

おもむろに手にとってすぐさま首の後ろに手を回したかと思えば「似合う？」と、キラリと首元が光った。

すごい...！薮先輩がつけると、ブランド物に見えてくる...！

「__________......カッコイイ、です」

「Aちゃんのセンスがいいんだね...ありがとう、大切にするね？」

そっと握られた手に。絡み合う瞳に。

私の選んだ幸せは、間違いなかったってそう思わせてくれる。

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