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伊野尾先輩の姿を見ることなく、薮先輩の隣をシンデレラ候補として歩く日々は続いていく。
自覚しはじめた大きくなりつつある気持ちに、またも蓋をして、気づかないふりをして笑顔を張り付ける。けど、無意識に探してしまうのはあの飄々とした笑顔で。
「__________.........はぁ、」
「だからって、なんでここにいんの?」
溜息をつく私に、そう投げかけた光さんはそれでも手を止めることなくミシンを器用に扱ってまた新しいドレスを作っている。
なぜかここに足が向くのはきっと、先輩のあの言葉のせい。
きっと、先輩がここになら来てくれそうな気がするから。
なーんて......思ったり思わなかったり。
「ていうか、そこいんならスパンコールつけて」
「ダメだよ。私みたいな素人がやったの売れなくなるよ?」
「俺の趣味で作ってんだからいいんだよ」
「光さん、慣れてくるとドS......」
なんて言いながらも、ここに来ることを拒まないでいてくれる光さんは優しい。
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翠恋(プロフ) - おかもとケイとるさん» ありがとうございます!がんばります!!! (2018年4月14日 20時) (レス) id: 232e0efe2c (このIDを非表示/違反報告)
おかもとケイとる(プロフ) - 更新楽しみにしてます (2018年4月14日 18時) (レス) id: 1490ed1241 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:翠恋 | 作成日時:2017年12月9日 22時