オオカミ男と偽りのシンデレラ。second【青】 (ページ13)

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結局もやもやしたまま時間は流れて、私はまた光さんの力を借りてドレスアップした。

さながら、魔法のかけられたシンデレラ。

魔法が解ければただの女の子。

「せっかく可愛くしてやったんだから、そんな暗い顔してんじゃねーよ」

「.........うう、すみません」

後ろから小突かれて少しよろけた私は、鏡でもう一度自分の姿を確認した。

見た目だけならば、やぶ先輩の隣に立ってもおかしくないほどにしてもらったのに、気持ちがついていかない。

こんな気持ちで会っても、やぶ先輩のご両親に申し訳ない......。

「.........ほら、そろそろ迎えの時間だろ」

「ん......そう、ですね」

「堂々としろ。ドレスが可哀想だろ」

「もう......みんなして、他人事だからって...」

思わず呟いた言葉に、光さんは当たり前のように「そりゃそうだろ」と答えて。

その後に「だけど」と言葉を付け加えた。

「誰にでも経験できることじゃない。だから、その時その時に考えて行動すればいいだろ」

ふとした光さんの言葉は、私の胸に深く深く響いた。

それだけの言葉で、なんだか今までのもやもやが吹き飛んだ気がしたから。

「__________......ありがとうございます。楽しんできます」

「おう。」

踏み出した世界は、どんな景色を見せてくれる？

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