こどもみたいな、おとなみたいな。《 yt × kt 》

＊12＊ ページ12

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「んふふっ...先生のにおいー。」



「あー、はいはい。良かったね」



「あ、涼介がやさぐれてるー。はは、変なのー」






ちぃちゃんのからかいにも全く表情を変えない涼介は冷たい目で俺のことを見てくる。けど、そんなのちっとも気にならないほど、今の俺は幸せで包まれている。

そんな俺に、ちぃちゃんはにやにやしながら「いよいよだね」なんて言ってくる。

どんな意味か、俺には全く分からない。






「いよいよって？」



「何とぼけてんの？明日は金曜日だよ？」



「うん、そうだね」



「......分かってないなぁ。いい？けいと。金曜日に恋人の家にお泊まりに誘われたんだよ？次の日は休みだって分かって誘ってんの。」


「......え？それで？」



「あー、もう！そんなもん、ほぼ100%やろうって言われてるようなもんだよ！」



「へ......？え?!そ、そんなわけないよ！」



「さすが大人......誘い方が巧妙だね」






盛り上がっていく二人に、全くついていけない俺。





だって、だってだって。

たまたま誘われただけだって。






でも......お泊まりできたら、嬉しいな。








「いいよ？けいとのご両親には僕の家泊まるってことにしておいて」



「その代わり、報告はきっちりしてもらうからな！」



「だ、だからふたりとも、気が早いってぇ〜」







走る気持ちをなんとか抑えて、平常心を装う。

けど、確かにもしかしたらもしかして。






俺の心は、静かにどきどきを続けている。



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