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圭人side







ビルのロビー。
ガラス越しに、メンバーとカラスのバトルを見守る。さっきまで、光くんも雄也もとなりにいたのに、変な感じ。

最初は飛ぶのも大変そうだったけど、ずいぶん慣れてきたみたいで…


宏太「光と裕翔はスピードタイプ。速く飛べるかわりに力は弱い。だからほら、ああやって急所を狙うんだよ」


薮ちゃんの見上げた先。
裕翔がカラスの背後に回り込んで、首の後ろのあたりを突いたとこだった。それを食らったカラスは、見事に地面に落ちてくる。

最初は、大ちゃんみたいにパンチしても効かなくて、逆に追いかけられてた光くんも、今ではカラスの頭のてっぺんを狙って蹴りを落とすまでになってる。


宏太「大ちゃんと雄也はパワータイプだな。飛ぶのは遅いが打撃は得意だ」


ものすごい勢いで、大ちゃんがカラスを建物の壁目掛けて投げてます…。腕一本で。投げにくそう。べちゃっ!って潰れたカラスが、ずるずる落ちていくのが見えた。

雄也も負けずに、両側から来たカラスを腕で押さえて、次々に蹴り飛ばしてく。


地面に、真っ黒な鳥が溜まってく。
その時、山ちゃんが放った赤い針が、そのひとりひとりに刺さって、爆発を起こした。カラスを形作っていたであろう黒い粒が、目の前のガラスにまで飛び散って、俺は思わず目をつぶった。


宏太「あいつら…カラスにとどめを刺せるのは、涼介みたいに特殊なタイプだけなんだ」


慧「ふーん。で、薮はなんでそんなに詳しいわけ?」


宏太「そりゃあ…なんだかんだ、ずっと見てきたし?」


慧「ほぇー、メンタル強っ。」


相づちを打った後、いのちゃんはふと左手を眺めた。ガラスから屈折して届く日の光に、シルバーが反射してきらめいた。







それから間もなく。
最後のひとりが、山ちゃんの赤い針で粉々に飛び散ったのを見届けた。強烈な破裂音でガラスがビリビリ震えた。











光「ただいまぁ!!」

5人揃ってビルの自動ドアから入ると、大きく広げられてたカラフルな翼は折り畳まれ、何事もなかったように消えた。

光くんも雄也も、あれだけハードに飛び回ってたのに、すごく晴れやかな表情で。







慧「なあ圭人。今回、過去イチやべーやつじゃない?」

圭人「…だね」







理由は分からない。けど、何となく、


…何となく、嫌な予感がした。

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ユキ(プロフ) - ききさん» 前回に引き続き、ありがとうございます!励みになります(^-^)/ (2018年1月28日 18時) (レス) id: a8713bcbc6 (このIDを非表示/違反報告)
きき - 移行おめでとうございます!憑いてる!?シリーズからずっっっっとユキさんの作品を読んでますが相変わらず面白いですね(*^▽^*)これからも楽しみですヽ(*´∀`) (2018年1月26日 21時) (レス) id: b5dd81d92a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ユキ | 作成日時:2018年1月23日 0時

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