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裕翔「綺麗だろ?

血の気が無いから、白い肌がますます透き通って見える」


ゆっくり歩いて追い付いた裕翔が、ベッドを見つめ満足そうに微笑んだ。

俺の心を見透かしたのか、それとも漏れ出ていたのか。俺にはもう分からない。
青い花に囲まれたいのちゃんは、文字通り蒼白だった。今にも消えてしまいそうだった。花弁の中から焦りをもって探り、掴んだ掌は冷たい。
一気に悲しみがこみ上げた。


裕翔「…だーいじょうぶだって!そんな顔しなくても。言ったろ?眠ってるって。
その花には、暴走を抑える作用があるんだ。」

圭人「………だって、」

裕翔「おいおい、お得意の泣き虫かよ。」

圭人「…いのちゃんを、どうするつもり?」

裕翔「どうするって…もちろん、手伝ってもらうよ。全員潰すまでゲームを終わらせるつもりは…」

言葉の続きを待てなかった。
いのちゃんの手を放す代わりに裕翔の両肩を掴んだ。目を丸くする裕翔に構わず出た声は、掠れて震えているのが自分でも分かった。

圭人「ねえ、裕翔。いのちゃんを助けてほしい。俺、何でもやるから。

俺のせいなんだ。俺のせいで、いのちゃんは…こんな、酷いことに巻き込まれて、」


裕翔「…酷い?」


肩を掴んでいたはずの手は、いつの間にか掴まれる側に回り、ギリリ、と押し潰す音が痛みとともに押し寄せた。







裕翔「聞き捨てならないなぁ。これが俺の…

…人生の、すべてなんだぜ?」


沼の底に引きずり込まれそうな低い声。俺の頬におちた、暗い暗い影。鋭い視線に射抜かれて、絞り出してきた言葉も絶たれた。

かわりに涙だけがこぼれ落ちていった。






ふいに裕翔は表情を緩めた。
ふっ、と僅かに息を吐くと、ぐい、と俺の身体をいとも簡単に引き寄せて、耳元で甘く、優しく囁いた。


裕翔「いいこと教えてあげる。いのちゃんの暴走を止める方法。」

圭人「……!どうすればいいの…!?」







暗闇に芽吹いた微かな希望。

それは、ゆらり揺らめいて、俺の目の前に暗幕を下ろした。







裕翔「ヤマの翼を奪え。」

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ユキ(プロフ) - ききさん» 前回に引き続き、ありがとうございます!励みになります(^-^)/ (2018年1月28日 18時) (レス) id: a8713bcbc6 (このIDを非表示/違反報告)
きき - 移行おめでとうございます!憑いてる!?シリーズからずっっっっとユキさんの作品を読んでますが相変わらず面白いですね(*^▽^*)これからも楽しみですヽ(*´∀`) (2018年1月26日 21時) (レス) id: b5dd81d92a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ユキ | 作成日時:2018年1月23日 0時

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