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ゆーてぃーの腕の中で、伊野尾ちゃんはピクリとも動かない。


感情があの日に引き戻される。
ドクン、ドクンと耳の内側まで響く動悸に嫌な汗が噴き出したが、やっとのことで声を絞り出す。

涼介「伊野尾ちゃんは…!?」

裕翔「生きてるよ、ほら」


ゆーてぃーは、テンションを変えるわけでもなくあっさり返事をし、少し身体を傾けた。

生きてる、とは言ったけど、伊野尾ちゃんの顔は蒼白で。

駆け寄って息を確かめたいくらいだったけど、緊張が一気に切れたのか、俺も力が抜けて立てなくなっちゃってて。


裕翔「ヤマ?腰でも抜けた?」


図星だわ、なんて心で呟くのを待たず、裕翔はスタスタとこっちに足を運ぶ…

「来るな!!」



突然の張りつめた声に、ゆーてぃーは歩みを止めた。視線が、俺の後ろ…警告を発した張本人に止まると、口元を少し緩ませた。


裕翔「大ちゃん、早かったね」


いつの間にか目を覚ましたものの、まだ傷が痛むのだろう。身を起こそうとした途端に苦痛の表情を浮かべて、呆気にとられる雄也の腕に再び収まった。

大ちゃんは、それでもずっと、その場に留まるゆーてぃーをまっすぐ睨み続けていた。



大貴「皆、裕翔から離れろ」

涼介「は?何言って…」


俺の言葉を遮り、大ちゃんはゆーてぃーに問いかけた。


大貴「裕翔。事情があるなら話してよ」

裕翔「…何のこと?」


大ちゃんは言葉を詰まらせた。
じわじわと瞳が潤んでいく。

ようやく、覚悟を決めたように息を吸った。


大貴「仲間を陥れようとするなんて裕翔らしくない。話せるとこだけでもいいからさ、教えてほしいんだ…
宏太「っ、伏せろ!!」















薮ちゃんの叫びとほぼ同時だった。

低い轟音とともに、視界の全てを真っ黒な波が覆ったのは。

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ユキ(プロフ) - ききさん» 前回に引き続き、ありがとうございます!励みになります(^-^)/ (2018年1月28日 18時) (レス) id: a8713bcbc6 (このIDを非表示/違反報告)
きき - 移行おめでとうございます!憑いてる!?シリーズからずっっっっとユキさんの作品を読んでますが相変わらず面白いですね(*^▽^*)これからも楽しみですヽ(*´∀`) (2018年1月26日 21時) (レス) id: b5dd81d92a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ユキ | 作成日時:2018年1月23日 0時

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