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想定外な出来事の連続だった。

俺が翼を初めて生やした時、相当な体力を奪われたことは今でも覚えてる。
もし今、いのちゃんが翼を目覚めさせたのだとしたら。このまま、いのちゃんは…


手を振り回すように伸ばして、今持ち合わせてる全力でその身体を揺する。ザワリ、と青い羽根が揺れた。

大貴「いのちゃん!目ぇ覚ませ!お願い……」







洞窟にこだました声に応えてくれたのか、瞼がわずかに動いた。

「……んっ…」

眠りから覚めた潤む瞳が、這いつくばる俺の姿をゆっくりなぞっていく。

大貴「いのちゃん…?」

名前を呼ぶと視線が合う。
口をゆっくり開いたかと思えば、

慧「……あぁー、大ちゃんが無事でよかったぁー。」

小声だけど、普通に昼寝から目覚めたんじゃないかってくらい呑気なトーンだった。ゴロン、と仰向けになると、いのちゃんは「痛ってー」なんて呟いて、ヘラっと微笑った。

大貴「バカ!他人の心配してる場合かよ…驚かせんな!」


思わず声を上げてしまうと、ズキリ、と刺した痛みに、反射的に顔が苦痛で歪むのが分かった。でも、痛んだのは身体だけじゃない。







この状況。いのちゃんが俺を助けようとしたのは明らかだった。


大貴「…ごめん」

慧「え?どうして謝んの?」

薄暗い洞窟の上を見上げたまま、相変わらずのゆるい調子でいのちゃんは言った。


大貴「だって、俺のせいで…

俺、いのちゃんが死んじゃうんじゃないかって、思って」

慧「ほんとだよ、全く」

大貴「うっ…」

慧「ははっ、冗談冗談。

愛しの大ちゃんが俺目掛けて飛んで来てくれたからさ。俺の腕の中に収めるしかねーだろって思っただけ」


おいおい、どんな理由だよ、って苦笑いしたけど、それもいのちゃんなりの優しさなんだって分かってるから、やっぱり…


大貴「…本当、ごめん。翼まで…」

慧「翼?」


寝転がったまま背中の方に手を伸ばすと、ハッと目を見開いた。

青い羽根が、ひらりと舞った。


どうやら、自身に起きてる変化にたった今気付いたらしい。

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ユキ(プロフ) - ききさん» 前回に引き続き、ありがとうございます!励みになります(^-^)/ (2018年1月28日 18時) (レス) id: a8713bcbc6 (このIDを非表示/違反報告)
きき - 移行おめでとうございます!憑いてる!?シリーズからずっっっっとユキさんの作品を読んでますが相変わらず面白いですね(*^▽^*)これからも楽しみですヽ(*´∀`) (2018年1月26日 21時) (レス) id: b5dd81d92a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ユキ | 作成日時:2018年1月23日 0時

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