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大貴「楽勝！」
叫んだ言葉の通り、大ちゃんは、ニヤリと余裕の笑みを見せる。
羽は抜け、スワンの首は変な方向に曲がり、ヨロヨロと逃げるように窓から飛び出した黒いカラス。それを、鮮やかなオレンジ色の翼が追いかけていった。
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俺も、追いかけるように外に出る。
雨は強く降り続き、容赦なく髪から水が滴る。
力技でどんどん押していく大ちゃんも、ますますボロボロになっていくカラスも、丘の縁から見上げると、境目のない灰色の空と海の上に遠く霞んで見えた。
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それにしても。
この間渋谷の街にいたカラスたち、こんなに弱かったっけ…。
あの時は大量にいたから、強そうに見えただけ？
それとも、大ちゃんがこの短期間でより強くなったとか。いや、もしかして、カラスがお弁当を食べ過ぎたのかも…。
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その時ふと、何かの気配を感じた。
振り返ろうとした俺の視界も動きも、それは黒く遮った。
圭人「や、やめて！離して！」
反射的に、黒い何かを振り払おうとした。でも、弾かれたのは指にあった金属の重みだけだった。
圭人「指輪っ……、」
首をとられて、頭の中が、ジンジン痺れてくる。
俺、もしかしてここで、死んでしまうの…
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大貴「っ、圭人！！」
遠くから飛んできた俺の名前を呼ぶ声に、遠退いた意識は戻された。
引き剥がされる黒い手と、目の前に広がったオレンジ色。
大貴「圭人！大丈夫か！？」
俺の顔を覗き込んだ大ちゃんの顔は、とても心配そうで、
そして…すごくお兄ちゃんに見えて、ほっとした。
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大丈夫…ごめん、ありがとう。
切れた息を整えて、言おうとした。でも、驚いたように目を見開いた大ちゃんの視線は、いつの間にか俺の先をとらえていた。
大貴「…嘘だ」
独り言みたいな呟きと、滴る雨が、ゆっくり地面に落ちた。
その瞬間、
圭人「っ、大ちゃん、後ろ！！」
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猛スピードで飛んできた黒い塊は、あっという間にその腕を大ちゃんの鳩尾に食い込ませ、鈍い音を響かせた。
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ユキ(プロフ) - ききさん» 前回に引き続き、ありがとうございます！励みになります(^-^)/ (2018年1月28日 18時) (
レス) id: a8713bcbc6 (このIDを非表示/違反報告)
きき - 移行おめでとうございます！憑いてる！？シリーズからずっっっっとユキさんの作品を読んでますが相変わらず面白いですね(*^▽^*)これからも楽しみですヽ(*´∀｀) (2018年1月26日 21時) (レス) id: b5dd81d92a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユキ | 作成日時：2018年1月23日 0時
