magical.93 慧side ページ7
慧side
ー実験室ー
伊野尾「ーーーッ。」
さっきから頭がズキズキと痛む。
透明化してもらった俺は、裕翔について実験室まで来ていた。
この独特なにおい。
透明な四角いケース。
真っ黒い光。
叫び声。
人体実験。
・・・なにかが記憶に引っかかる。
でも思い出そうとすると、頭がズキズキと痛んで思考を妨害する。
…だめだ。全然わからない。
視線を感じて上を見ると、裕翔がこちらを心配そうに見つめていた。
ネコだから表情は読めないはずなのに、やっぱ裕翔は鋭いな。
…でもよく見るとその顔は青ざめていて、俺に助けを求めているようにも見えた。
当然だ。あんな…実験を見たんだから。
俺だって人の姿だったら同じように固まってるだろう。
裕翔の足にすり寄って、肉球でほぐしてあげる。
水色の瞳は、少しだけ和らいだ。
再び山田を含む組員たちに連れられて庭師たちが歩き出し、俺も一緒に外へ出た。
「解散。作業を再開しろ。」
庭に着いて、組員たちは建物に戻って行った。
・
・
・
「・・・バレットくん、お昼休憩だよ。」
中島「…へっ、あ、はい、そうですね！？」
「どうしたの？なんか顔色悪いよ？」
中島「え？そうですかねー…あはは」
「雑草多くて疲れちゃったよね。ランチで元気出そ！」
中島「はい！…。」
実験前と変わらない空気。
ふつうに笑顔で会話する庭師たち。
さっきまでの実験のことは、一切覚えてないようだ。
中島『いのちゃん、どういうことかな…？』
伊野尾『庭師が実験に使われている。でも本人たちにその自覚がない。』
中島『しかも、１人欠けたことに誰も気づいてない。』
伊野尾『催眠魔法か何か…？でもそれなら、裕翔も催眠にかけられていたはず。』
中島『俺は普通だったよ。男が来た途端にみんなの動きが止まったんだ。』
伊野尾『魔法をかけられる素振りもなかったのか…。』
中島『…庭師の１人が、"俺たちみんなずっとここで一緒に働いてる"って言ってた。…今までもこんなことしてたってこと？』
…なんもわかんない。
伊野尾『もう少し調べる必要があるね。』
中島『だね…。』
［潜入２日目 終了］
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楓菟 - とても面白かったです。更新を待っています。いつ更新されますか？ (2020年4月9日 21時) (
レス) id: ded5916e49 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみ(プロフ) - すごく面白かったです！この後のお話がとても気になります！更新お待ちしてます！ (2019年5月9日 21時) (レス) id: bea5fb83fd (このIDを非表示/違反報告)
amin(プロフ) - はじめまして！ この後の展開がすごく楽しみです！有岡くんの魔術や伊野尾くんの過去、更新楽しみにしています！ (2019年3月27日 14時) (レス) id: 5b4e603a58 (このIDを非表示/違反報告)
桃猫 - 初めまして、桃猫です。いつも楽しく読んでいます。この後の展開もすごく楽しみ、、、！LOVE 米様のペースで更新頑張ってください！楽しみに待っています。 (2019年3月25日 17時) (レス) id: 86491a5112 (このIDを非表示/違反報告)
LOVE米(プロフ) - NMダイキング担さん» 以前もメッセージいただきましたよね！引き続きの応援ありがとうございます。。更新頑張ります！ (2019年3月10日 1時) (レス) id: a6c899cc1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：LOVE米 | 作成日時：2019年3月3日 0時
