ハニープードル【青】 (ページ22)

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可愛い洋服の並ぶお店で、もうどれくらいこうしているだろう

櫻「まだ？」

顎に手を当て考え込む私の方に手を置いて呆れ顔なのは、友達の櫻。

小学校から一緒で、幼馴染みたいなもの

事の発端は一昨日、お昼休みの藤井くんの言葉

「なあ、今度の休み、デートせえへん？」

映画のチケットを貰ったんだ、って。

もちろんここ2年ほど彼氏のいない私は男ウケのいい服なんて持っているわけが無い

そんなわけで、慌てて恋愛マスターの櫻を連れて買い物にやってきたのだ

櫻「こっちが似合うと思うよ、Aっぽいし」

その一言で、やっと私はレジに足を進めた

悩んだ末に購入したのは、普段あまり着ることのないガウチョパンツにオフショルダーのトップス。

……おばさんが露出するな見苦しい、なんて思われちゃうかも

お金を払ったあとで不安になってくる

櫻にそれを伝えると、26はまだおばさんじゃない！お姉さん！って怒られてしまった

櫻「でも珍しいね、Aが服選び手伝って欲しいなんて。男できた？」

『いや、違うの、……実は、』

藤井くんとのことを全部、櫻に話した

櫻「え？その後輩はあんたのこと好きなんでしょ？さっさと付き合えばいいじゃん」

『いや、私たちもう26なんだよ？

ゆっくり恋愛してる暇なんてないし…』

櫻「そんなこと言ったって、好きなら仕方ないじゃない」

『まだ好きと決まったわけじゃ……

それに、結婚したいじゃん？』

「のちのちその人とすればいいじゃん、まだ26だよ？そんなに焦らなくてもさ、ねえ？」

………私が今までずっと悩んでいたことは何だったんだろう

確かに、櫻の言う通り見方を変えれば“まだ”26。

今、そんなに焦って結婚する必要ないのかな

……藤井くんと、恋愛してみても、いいのかな

櫻「一人の男のために悩めるなんて、Aもまだまだ乙女だね、大丈夫だよ」

櫻に聞いてもらってよかった、すごく楽になった

櫻「とにかく、勝負は次の日曜ってことね、しっかりね！」

『うん…！』

帰って半身浴とパックで決まり