ハニープードル【青】 (ページ20)

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紫「なあ、藤井のこと好きなん？」

お酒を飲んで気持ちよくなってきた頃、濵田さんが発した言葉

『ん～…どうでしょう。』

紫「まあ藤井男前やからな～。」

って、濵田さんはぐいっとビールを飲んだ

お鍋も終わったし、あとはのんびりして帰るだけ

紫「……あのさあ、Aちゃん的に俺ってナシ？」

『へ？』

思いもしない濵田さんの言葉に間抜けな声が零れた

紫「Aちゃん、警戒心ゼロやろ？」

確かに、濵田さんと2人きりになることを怖いと思ったことがない

……藤井くんだったら？

もし、藤井くんの家に行ったとしたら。

…きっとドキドキして落ち着かなくてお酒をガブガブ飲んでしまう

缶に半分以上残るビールと濵田さん

濵田さんの言う通り、私は濵田さんに恋愛感情は抱けないのかもしれない

いや、でもそれはただの慣れなのかもしれないし

紫「や、そんな深く考えんでええから(笑)」

濵田さんに笑われて、自分の眉間にシワが寄っていることに気がついた

紫「ごめんな、変なこと聞いて。忘れてええから」

『……濵田さんは優しい。かっこいいし、頼れるし』

言うつもりのないことを私はベラベラと。酔っているのかもしれない

『濵田さんにずっと憧れてた……でもこれが恋愛感情かどうか、わからないんです』

紫「…ホンマにアホやな～…ちょっとは警戒心持たな、俺やって何するか分からへんで？」

向かい側に座っていた濵田さんが、隣に座って

「……自分のこと好きな男と二人きりで、こんなん危なすぎやで」

『……へ？』

「……ごめん、1分だけ」

ふわっと濵田さんの匂いに包まれる

頭に藤井くんの顔が浮かんだけど、濵田さんを拒むことはできなかった