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仕事から帰ってソファでくつろぐ幸せなひととき
ビール片手に携帯を取ってAちゃんに送るメッセージを考える
彼女と仲良くなったのは、俺が移動する前、去年の夏。
もうすぐ30、そろそろ結婚せなあかん
焦り始めた頃。
彼女すらおらんかった俺は、結婚を前提に付き合える女の子を探し始めた
嬉しいことに声をかけてくれる子は多いんやけど、みんな若くて結婚なんか考えてない。
俺にはその子達みたいにゆっくり恋愛する時間は残されてないねん
友達と相席屋に行ったり、婚活パーティーとかいうのにも行ったけど、ピンとくる人はおらん
そんな時、飲み会で帰りが同じになったのが、Aちゃんやった
紫「もう遅いし、タクシーで帰りや。呼んだるわ」
純粋に後輩が心配で、かけた言葉。特別な感情はなんにもなかった
『いえ、大丈夫です、まだ終電ありますし。』
紫「そんなん言うてもなあ…ほな、俺も電車やから送るわ」
『え?いいですよ!駅からすぐなんです、家。』
頑なに遠慮する彼女に、結局俺が折れてもうた
2人で電車の中でしばらく話をして、俺より先に降りていった彼女の背中を見て
この子でええやん、この子がぴったりや
そう思った。もちろん、はじめは軽い気持ちで。
家事は得意、気遣いもできるし、しっかり者やけど、ちょっと抜けとるとこもあって……
それから俺は、Aちゃんと仲良くなろうと努力した
正直、恋愛的な感情はあんまりなかった
やけど、自分でも気づかんうちに恋、してたんやな
飲みに誘う時にかける言葉に悩んだり、話しかけることにちょっと緊張したり
結婚がどうとか、理想がどうとか
そんなんどうでもよくなって、ただ彼女を振り向かせたい、そう思うようになってたんや
お疲れ様。
宅飲みの話、金曜なんかどう?
ビールの泡が消える頃、Aちゃんにそう送った
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有香(プロフ) - 続編楽しみにしてます! (2018年8月5日 23時) (レス) id: 44f2d4f6ef (このIDを非表示/違反報告)
舞香(プロフ) - シルフじゃなくて、シラフですよ! (2018年7月3日 23時) (レス) id: 1bd8f95c6b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユウガオ | 作成日時:2018年6月23日 20時