ハニープードル【青】 (ページ11)

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金曜の夜、久々に中間さんのバーに立ち寄った

黄「いらっしゃい、久しぶりやな」

藤井くんに会って以来、なんだか来づらくて

『いつものお願いします』

黄「流星、最近どう？職場同じなんやろ？」

『どうって……別に普通です』

中間さんが職場のこと知ってるってことは、藤井くんは最近もここにきてるんだ

…今日は、来ないのかな

黄「誤魔化しても無駄、流星に全部聞いてんで(笑)」

全部、ねえ。

キスしたことも、告白されたことも、その中に含まれているのだろうか

黄「Aちゃん全然なびいてくれへん、ってタジタジやで、あいつ」

あんだけかっこいい人にあんなことされて、言われて、平常心でいられるわけないじゃない

若ければ、なんの迷いも無く好奇心だけで藤井くんと付き合っていたんだろうけど。

今は結婚願望もない若僧を相手にしてられない

そもそも、本気、ってのも怪しいのよ、出会って1ヶ月も経たないのに。

私は、濵田さんみたいに優しくて紳士で大人で余裕のある人がいいの

安定した収入、子供好き、おまけに容姿もなかなかイケている。

彼女もいない独身の年上。

こんな完璧な物件他にあるのだろうか。

だけど、正直言えば、藤井くんのことをもっと知りたいって気持ちもある

今を取るか、将来を取るか……

……将来だな。

やっぱり私には駆け引きなんてしてる時間は残されていないし。

早く安定した幸せな生活がしたい

黄「眉間にシワ寄せて、何考えてるんだか」

中間さんは呆れたように笑って、私にお酒を出す

それとほぼ同時に、来客を知らせる扉の音が聞こえてきた