ハニープードル【青】 (ページ45)

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あの話を聞いて正直びっくりした

それって本当に全部藤井くんが悪いのかな、そんなことないんじゃないかな、とか

とにかく、やっぱり山本さんはとんでもない人だってことはわかった

そんな山本さんも、明日には本社に戻る。

やっと、いつも通りの平和な日々が戻ってくるんじゃないかな、なんて考えてたら

未「Aさん、ちょっといいですか？」

黙ってついていくと、着いたのは中庭だった

未「私、流星のこと本気で好きだったんです」

山本さんは静かに話し始めた

未「分かってたんです。あの事、流星だけが悪いんじゃないって。

だけど、ああでもしなきゃ流星は私のものにはならない、って。」

泣きそうにも見える笑顔で山本さんは話し続ける

未「でも、空っぽでした。一緒にいて、流星の笑顔なんて見れなかったし。

なんで私は好きになってもらえなくて、Aさんはなってもらえるんだろ。流星はおかしい」

失礼な。なんてムッとするけど、黙って聞き続けた

未「でも、流星が初めて選んだ人だから。…流星には笑ってて欲しくて。

なんて、ずっと流星を苦しめてた私が言うと矛盾なんですけど」

この子の愛が、藤井くんを、この子自身を、苦しめていたんだ

未「巻き込んじゃってすみませんでした、あと、写真のことも。」

『あの写真、やっぱり山本さんだったんだ』

未「もうちょっと嫌がらせとかされると思ったんですけど、期待はずれでした」

『……そうですか』

キャピキャピしてる山本さんは何処へやら、目の前にいるのは悪魔だ。

未「迷惑かけたんで、ひとつ、いいこと教えてあげますね。

実は、流星って…………」

その話を聞いて、私の顔は真っ赤になった