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_____桃



さいっあくや。



なんであいつと海なんか行くことになんねん。



断らせようと思ってたのにシゲがあんな楽しみにしてたらそういうわけにもいかんくなるやろ




ほんまにあいつみてると腹立つ




なにやらしても危なっかしいし、すぐ失敗するし、自分のことも自分でできそうにないやん




みてるとつい、助けたくなるっていうか、余計なことしたくなんねん




幼稚園児の子供が泣いてんの見てるのと同じ感覚




せやけど俺ってほんまに素直になれへんし、なりたくもないねん




そしたらあいつにはあんな態度取ってしまって




あいつを見てると、助けたく、甘やかしたくなる自分に1番、腹立つねんなあ




八つ当たりしてもうてることは悪いと思うけど




あいつと海なんか行ったら溺死でもしてまうんじゃないかってハラハラや




クラゲに刺されただとか浮き輪が流されただとか砂浜歩き回って迷子になっただとか




あまりにも目に浮かぶもんやから、思わず笑ってしまった




「...きっしょ」




なにあいつのこと考えてわろうてんねん




『お疲れ様です』




俺が事務所で支度を終えた頃、出勤してくるA





「…なんやその間抜けな頭」




『へっ、間抜けって、ひどくないですか?』




頭の高い位置で控えめなおだんごヘア。アレンジしてんの珍しい



「これが気になんねん」



後れ毛とかいうくりくりにカールされた束を手に取る



『へっ、その、えっと、変、ですか?』



心配そうに上目遣いで俺を見てきて



「しらん」



テキトーにそう答えてフロアへ向かった




…なんや、なんか、悪くないやん、あの頭





って、ほんまに俺きっしょ。何を考えてんねん




後輩《小瀧先輩お疲れ様です、あれ、なんか耳赤いですよ?》





すれ違う後輩に言われて慌てて耳を隠す





なんやねん、これ






ほんま腹立つ

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作者名:ユウガオ | 作成日時:2018年4月15日 18時

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