あまのじゃく【桃】 (ページ3)

今日:1 hit、昨日:7 hit、合計:12,061 hit

3. ページ3

密かにずっと気になっていた先輩の彼女とまさか、こんなにすぐご対面することになるとは

ユイ「のーん、来ちゃった」

「ユイ、今日バイトやって言うとったやん」

ユイ「休みやったみたい」

レジに立つ小瀧先輩に話しかけるその人は、女優なんかと間違えちゃうほどに綺麗で、モデルさんなんかに負けないくらいスタイルが良くて、すぐに小瀧先輩の彼女だと察した

さすが、小瀧先輩の彼女…

しっかりしてそうに見えるけど実は少し抜けてて、甘え上手な感じかな…

って私、なに分析してるんだろう。仕事に集中しなくちゃ

ユイ「あんな、あんな、大毅が今度3人で海行こうってしつこいねん(笑)」

「海？ちょっとはやない？」

ユイ「私もそう思ったんやけど、まあ、遅くなって行かれへんくなるよりええやろ？」

「まあせやな、」

あんなに楽しそうな顔をする小瀧先輩、初めて見る

あんな鬼でも、ちゃんと人間なんだなあ、なんて

ユイ「大毅なあ、今年こそ夏に彼女作るって張り切ってんねん。」

「あいつ毎年言うとるやん」

ユイ「せやから、その海行くのに女の子1人誘ってって頼まれてん。大毅と上手くいくかもな女の子おらんかな？」

「俺知り合いに誘えるような女の子おらへんわ」

聞いてれば、いつまでもイチャイチャ(は別にしてない)と…

いいなあ、小瀧先輩と海…

って、私本当にどうかしてる、これじゃまるで小瀧先輩のこと…

いやいや、ありえない！

ユイ「ほんま誰でもええからさ～、バイトの子とかでもええやん！」

無意識に自分の動きがぴたっと止まる

「無理やって～」

ユイ「あっ、そこの子でええやん。大毅の好みそうやし、」

『へっ』

ユイさんが私を指さすもんだから、驚いて間抜けな声がこぼれる

「あかんあかん、あいつはダメや」

えー！なんでですか！行きたいです！

って声を必死に押し殺す

ユイ「なんで？ええやん、」

「面倒臭いし鈍臭いねん」

相変わらず酷いいいようですね、先輩

ユイ「なあなあ、海好き？」

ユイさんは小瀧先輩を思い切りスルーして私に話しかけてくる

『えっ、あ、えっと、は、はい！』

はい、と答えた私を小瀧先輩が睨みつける

ユイ「ほんま！ちょうどよかった、私らと一緒に海行かへん？のんもおるし信用できるやろ？(笑)」

私はユイさんの誘いに、是非！と即答した