学園のわけありアイドルたちの日常 (ページ29)

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千「よっ…と、ただいま！」

「わわっ…！私持つよ！」

片手にグラスを二個載せたお盆、もう片方に何種類かのお菓子を入れたお皿を持ってチカちゃんが帰って来た。

チカちゃん器用だなぁ…。

千「はい、Aの分！」

「ありがとう」

持ってきてくれたオレンジジュースを飲んで一息つく。

チカちゃん、さっきからチラチラ私を見てる…？

「どうしたの…？」

すると、バツが悪そうに目を逸らしながら言った。

千「あのさ…昨日言ったじゃん。『チカちゃんキンプリについて詳しいね』って。
あれね、………おにぃもそのうちの一人なの。だから自然と情報が入ってくるっていうか…」

なるほど…。

「確かにお兄さん格好いいもんねぇ。皆に人気なのもわかるかも」

そう言うと、チカちゃんの目が点になって、次の瞬間急に声をあげて笑い出した。

「え？え？？」

私今変なこと言った！？

千「いや、ごめんごめん！そういう反応久しぶりだからさ！
でもAは編入生だし、そうなるよねぇ」

「えっと…ごめん…？」

千「あ、ちがうの！むしろ逆で…ありがとう、A。
これからも、ただのヘタレなあたしの兄として見てあげて」

優「誰がヘタレだって？」

千「ちょっとおにぃ！ノックしてから入ってよね、Aびっくりしちゃうじゃん」

優「忘れてた…。
なぁAちゃん、オレも混ざって良い？キンプリのこと、知りたいんだろ？」

コクンと頷く。

チカちゃんは、「もー、勝手に決めないでよー」なんて言いながら、いそいそともう一人分の飲み物とお菓子を取りに行った。