学園のわけありアイドルたちの日常 (ページ17)

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千『………ごめんA、もう一回言ってもらってもいい？』

「紫耀くん。名字はわかんないんだけど…。
…っておーい、チカちゃーん？」

千『………もしかしてアイツ？いやいやそんなわけ………。
でもショウって名前の人限られてるし………』

チカちゃんが何かをブツブツ呟いているが、声が小さくて上手く聞き取れない。

「どうしたの？チカちゃん」

千『いや、あたしらの学年でショウって名前の人ほとんどいないんだけど、まさか…ね。
その人の特徴とか何かないの？』

特徴かぁ………。

「…匂い、かな」

千『匂い…？』

「そう。甘い香りがした。バニラみたいな」

千『嘘でしょ…。キングじゃんそれ…』

「キング？？」

千『本名は平野紫耀。イケメンで勉強も運動も出来る完璧なやつ。
唯一の欠点は、クールを通り越して冷酷人間なところ。
で、つけられたあだ名が“キング”』

「冷酷人間なんて…。すっごく優しそうな人だったよ？
………笑われたけど」

千『笑った！？あのキングが！？！？』

「そんなに驚くことなの？」

千『普段を知ってる人間から見れば、割と信じられない話だわ………』

あのとき私を見つめていた目。

からかいを含みながらも、優しさに満ち溢れていた。

そんな紫耀くんが冷酷人間だなんて…、それこそ信じられない話だよ。