学園のわけありアイドルたちの日常 (ページ11)

今日:3 hit、昨日:15 hit、合計:49,278 hit

011 ページ11

誰かに話しかけている、可愛い男の子の声が聞こえた。

？「おねーさん。ねぇ、おねーさんってば！」

見取り図を見ながら歩いていると、その男の子の声がずっと後ろで聞こえてくる。

？「もうっ、なんで無視するの！」

「わっ！」

くんっ、と袖を引かれ、立ち止まる。

後ろには頬をぷくぅと膨らませて怒っている子が。

？「ひどいなぁ、ボクずーっと呼んでたのに」

「え、あ、私が呼ばれてるなんて思ってなくて…ごめんなさい…」

？「…まぁいいや。それよりおねーさん、初めて見る顔だけど、もしかして………不法侵入？」

さっきまでの無邪気な笑みから一転、ニヤァと妖しげな表情。

手にはスマホを持っている。

「ち、ちがっ、4月からこの学園に編入するから下見をしようと思って…」

？「なぁんだ、つまんないの」

ちぇ、と舌打ちを一つしてスマホをポケットにしまった。

おかげで一瞬にして肝が冷えたよ…。

編入前に不法侵入で捕まった、なんて笑い事にもならない。

？「…編入ってことは、高二？高三？」

「この4月で高二になるよ」

？「じゃあボクの一個上かぁ。ボクは中等部から持ち上がりで次高一。岩橋玄樹だよ、よろしくね♪おねーさんの名前は？」

「私は浜田A。こちらこそよろしくね、岩橋くん」

岩「あ、じゃあボクそろそろ部活だから。ばいば～い！」

「あっ、ばいばい！」

…なんだか、嵐みたいな子だったなぁ。