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いつもの場所の教師 ページ7

ある日の錬金アカデミー。

おそらくいつも通りいるであろうあの人に会うためにここまで足を運び、

勢いよく教室の扉を開けると、予想は的中。


『ミナト先生!!私の記憶を消去してください…どうかお願いします!』


「…は?」


教卓で何やら作業をしている彼に頼みがある。

普段一般人に対してやっているように、その錬金術で私の記憶を消し去ってほしいのだ。


が、何言ってんだこいつ、という顔をされた。

まあ大体想像はできてた反応…


『あんなこと言われたらもう立ち直れないよ…』


「ど、どうした、落ち着け。何があった?」


『お前の料理は絶望的にセンスがない、と言い放たれてしまいました。』


せっかく作った頑張って料理を辛口レビューされた。

もともとそういう人だって、私を褒めないスタイルの人だってわかってたけど、

他の子が作った料理に対しては、美味しいと褒めていたのでちょっと嫉妬した。早く忘れてしまいたい。


「それは酷い料理だな。そこまで絶望的だったのか…」


『先生まで…!』


「悪いが、そんなくだらないことに錬金術を使うわけにはいかない。まぁ…料理の練習頑張ってくれ。」


確かに私の料理は下手だけれど!

さすがにここまで適当な返事をされると少し傷つく。


『ああもう!先生は大切な教え子にそんなこと言う人だったんですか。幻滅です!どうせ、私の創作料理を認めてくれるのはガッチャードだけ…』

「はぁ、若いねぇ…ちょっと静かにしていてほしいんだけど。」


呆れたようにそう呟く先生。


銀と赤の指輪がはめられた長い指を向けられ、

気がついたときには気を失っていた。




『……ん、私、何してたんだっけ?』


ぼやける視界。黒いマントの姿が見えて目を擦ると…


「大丈夫か?ずいぶんうなされていたもんだから…悪い夢を見ていたようだね。」


『あ、ミナト先生!そうなんです、聞いてくださいよ!嫌な夢見たんですよ!』

『お前の料理は絶望的にセンスがない、と言い放たれて見捨てられる夢でした…』


「それは酷い夢だな。かわいそうに。」


やっぱりミナト先生は優しい。

なんやかんやみんなに慕われている理由もなんとなくわかる気がする。



『先生、記憶消去してくれませんか?』


「いや、そんなくだらないこと、錬金術を使うまでもない。」


「そんな奴、先生が忘れさせてやろう。進路変更だ。」


そう言うと先生は、私を手招きして教室の奥へと入っていった。

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91Pa231(プロフ) - *桜もち。さん» こちらこそ承認してくれてありがとう!😉そう言ってもらえて嬉しい〜💕💕また更新再開できるように頑張ります!! (12月17日 19時) (レス) id: fff66b8b3b (このIDを非表示/違反報告)
*桜もち。(プロフ) - イベント参加ありがとう〜!素敵な作品に参加して貰えて、より特撮界隈が盛り上がりそう✨✨✨個人的に『課題をクリアしていこう!』が毎週末課題をやる時のモチベになってます!!!これからも更新楽しみにしてるね〜!✨ (12月17日 19時) (レス) id: 17da285f26 (このIDを非表示/違反報告)
91Pa231(プロフ) - *桜もち。さん» わぁぁあ天才だなんてとんでもないです!!😭😭もはや私がカグヤ様を書きたかっただけなのですが…喜んで頂けたならとても嬉しいです💞💞ありがとうございます! (11月14日 22時) (レス) id: fff66b8b3b (このIDを非表示/違反報告)
*桜もち。(プロフ) - カグヤ様の大量供給ありがとうございます………!!!そうですこれが欲しかったんです………!!!!!主様天才ですか??? (11月14日 9時) (レス) id: 849756f787 (このIDを非表示/違反報告)
91Pa231(プロフ) - スズさん» そう言っていただけて嬉しいです🥰こちらこそありがとうございます…!✨️カグヤ様のキャラが好みに刺さりすぎました💘 (11月9日 20時) (レス) id: fff66b8b3b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:91Pa231 | 作成日時:2023年9月3日 19時

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