帰り道、君と見つけたガッチャ。 ページ25
放課後の帰り道。
よく聴き慣れたあの声がして振り返ると、いつもと少し雰囲気の違う彼がいた。
「あ…A〜!奇遇だね!今帰り道?」
『宝太郎くん!そうだよ。あれ、その服は…』
明らかに豊良州高校のものとは違う…水色の制服に、カッコいいマントがゆらりと。
「これは錬金術師の制服!どう?カッコいいでしょ?」
『へぇ〜!似合ってるね!』
宝太郎くんが錬金術師で、その学校に通ってるってことは知ってたけど、制服は初めて見たな…
新鮮で少し不思議な気分だ。
「…どうかした?」
なぜだろう。いつも違う彼の姿に、返す言葉が見つからない。
その言葉を探していると、彼は顔を覗き込んできた。
『宝太郎くんが仮面ライダーだって知ってから、もう何ヶ月も経って…早いなって。』
『不思議だよね。私たち、同じクラスだったのに今まで喋ったことすらなくて。だから仲良くなれて嬉しかった。』
『でも、その制服姿見てたら、まだまだ私の知らない宝太郎くんがいるんだなってちょっと寂しくなっちゃって。』
そう言うと、彼も難しそうな顔で黙りこんでしまった。
冷たい風が二人の間を通り抜けるので、変だよね。と後から付け足して、笑ってごまかす。
しばらく沈黙が続いた後、やっと…
「…ほんとはね、あの日、Aをマルガムから助けたことは記憶を消されてなかったことになるはずだった。」
「でも、どうしてもこの記憶を忘れてほしくなくて!その場で頭振り絞って、どうにか秘密ってことにして…」
「ずっと気になってた子と話すきっかけを失いたくなかったんだ。」
『気になってた子…?』
そう言われた瞬間、周りの雑音が聞こえなくなって、二人だけの空間に引き込まれる。
「俺、ずっとAのこと好きだった…!あの日からもっと好きになった。だから、もっともっと俺のこと知ってほしい!」
「Aは俺の…やっと見つけた最高のガッチャなんだ!」
勢いよく頭を下げ、真っ直ぐに手を差し出す。
「俺と…付き合ってください!!」
私が…ずっと欲しかった言葉。
ずっとこの気持ちに気づかないふりをしてたけど、今ならわかる。私は宝太郎くんが好きだと。
『…ガッチャ。私も大好きだよ。喜んで!これからもよろしくね、宝太郎くん!』
少しだけ、風が温かく感じて。
もうすぐ春がやってくる。
その手をそっと握り返し、いつもの帰路を歩き出した。
やっと見つけた。私だけのガッチャ。
今後の更新・新作反応集のお知らせ→←Merry Christmas☆
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91Pa231(プロフ) - *桜もち。さん» こちらこそ承認してくれてありがとう!😉そう言ってもらえて嬉しい〜💕💕また更新再開できるように頑張ります!! (12月17日 19時) (レス) id: fff66b8b3b (このIDを非表示/違反報告)
*桜もち。(プロフ) - イベント参加ありがとう〜!素敵な作品に参加して貰えて、より特撮界隈が盛り上がりそう✨✨✨個人的に『課題をクリアしていこう!』が毎週末課題をやる時のモチベになってます!!!これからも更新楽しみにしてるね〜!✨ (12月17日 19時) (レス) id: 17da285f26 (このIDを非表示/違反報告)
91Pa231(プロフ) - *桜もち。さん» わぁぁあ天才だなんてとんでもないです!!😭😭もはや私がカグヤ様を書きたかっただけなのですが…喜んで頂けたならとても嬉しいです💞💞ありがとうございます! (11月14日 22時) (レス) id: fff66b8b3b (このIDを非表示/違反報告)
*桜もち。(プロフ) - カグヤ様の大量供給ありがとうございます………!!!そうですこれが欲しかったんです………!!!!!主様天才ですか??? (11月14日 9時) (レス) id: 849756f787 (このIDを非表示/違反報告)
91Pa231(プロフ) - スズさん» そう言っていただけて嬉しいです🥰こちらこそありがとうございます…!✨️カグヤ様のキャラが好みに刺さりすぎました💘 (11月9日 20時) (レス) id: fff66b8b3b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:91Pa231 | 作成日時:2023年9月3日 19時