キミとの恋はガチハード！！【仮面ライダーガッチャード】

前の席の優等生 ページ3

一週間後、ご機嫌な帰り道。


今日は前の席のあの子に勉強を教えてもらった。


九堂りんねちゃん、真面目でクールな優等生。

話しかけづらいイメージだったけど、私の話も真剣に聞いてくれる。もっと仲良くなりたいな…



『りんねちゃん、勉強教えてくれてありがとね。また今度お礼するよ！』


「別にお礼なんていいけど。困ってたから助けたってだけ。そんな暇あるなら復習でもしたら？」


『あはは…そうだね。』



彼女の歩くスピードは少し速い。

置いていかれないように、歩幅を合わせてついていく。

かと思いきや突然足を止めて…



「そういえば君、一ノ瀬と最近やけに距離近いけど、付き合ってるの？」


『ええっ？！別にそんなんじゃないけど…いつの間にか仲良くなってた、って感じ？』


やはり周りからはそう見えるのだろうか。

そういう関係ってわけじゃないけど、ケミーやガッチャードのことは説明できないし…


「ふーん。ま、二人の恋、いつでも応援してあげるね。じゃあ私こっちだから。また明日。」


『あっ、ちょっと…！』



微妙な空気でお別れになってしまった。


変な噂話とか立てられたらどうしよう。

何より、私なんかと噂になってしまう宝太郎くんが可哀想だ。



余計なことばかり心配して、周りが見えなくなってしまうのは私の悪い癖。


『やばっ、ノート返し忘れてた！！』


思い出したときにはもう遅かった。

りんねちゃんの帰り道は知らない。今から追いかけても間に合うかな…


『確かこっちの道に行ったはず…』



意外とまだ近くにいたその後ろ姿は、


その先に何もない階段を一番上まで登り、謎の呪文を唱え始めた。


「下にあるものは上にあるものの如く…」

『えっと、りんねちゃん…？何してるの？』


「ひゃっ？！どうして君がここに…？！」

『ノート返し忘れてて。追いかけてきたんだけど…』


優等生の意外な姿につい笑みが溢れると、お見通しという顔で怒られてしまった。


「何がおかしいの？」


『いや、なんか意外だなーって。りんねちゃんって何もない場所に向かって呪文唱えたりするんだね。知らない一面を見られて嬉しい！』


「…悪い？あのねぇ、私だってたまには何もない場所に向かって呪文唱えたくもなるの。」


「いい？これは、私と君だけの秘密だからね。わかった？」



結局彼女が何のために呪文を唱えていたのかは分からなかったけれど、

またしても"二人だけの秘密"が増えてしまうのであった。

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