怖がりちゃんは狂犬を好きになった

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あれから何日か、バイトを始めたこと以外は変わらない生活が続いた。




『いらっしゃいませー』



軽快な電子音が客が来たことを知らせる。

レジから顔を上げると見慣れた黄色い頭。


京「ハミチキ。」

『はい！』



ウォーマーからハミチキを取って袋に入れて渡す。


京谷さんは代金を出しつつ、じっと私の顔を見た。


不意に大きな手が私の顔に伸ばされる。

反射で固く目を瞑った。

当たり前だが、構えた衝撃はこない。

代わりに優しく顔を触られた。



京「これなら跡残らなそうだな。」


そっと目を開けると微笑んだ京谷さんがいた。



京「あんま無理すんな。」


くしゃり、と頭をひと撫でして京谷さんはお店を出た。

じわじわ、心が温かくなって頰が緩んだ。


京谷さんとすれ違いに青城の制服のお客さんが来た。


及「うっそ、何今の？！
狂犬ちゃんあんな顔すんの？！」

『いらっしゃいませ。』

及「あれ？七瀬ちゃんだ、久しぶり！
バイトしてるの？」

『はい。最近始めたばかりですけど。』

及「もしかして狂犬ちゃんと接客してたの、七瀬ちゃん？」

『そうですけど…』







頷くと及川さんは、それならあの顔も納得！とか、1人で納得してお菓子コーナーに向かった。

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