怖がりちゃんは狂犬を好きになった

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溝「今日の練習はここまで！！」


「「あざっした！！」」



バレー部、凄かった。


得点やボール出し、タオル運び等の簡単な仕事しかできなかったけど、その合間に覗き見た練習は迫力があった。



ボールを叩きつける音、バッシュの擦れる音、
選手たちの声出し。



どれも私の今までの世界にはなかったものばかり。



キラキラ輝いていた。






及「狂犬ちゃんは先帰りなー。
悔しいけど七瀬ちゃんは任せたよ！」



及川さん(部活前に自己紹介をして初めて認識した)の口から私の名前が出て反射でそっちを向いた。




目が合った及川さんはにっこり笑って
私に向かって口をパクパクさせた。


わからず首を傾げると苦笑してこっちへ来た。



及「頑張ってね！七瀬ちゃんいい子だから俺応援してる！」



更に訳がわからず首を傾げると、首を傾げ返された。





及「七瀬ちゃん、狂犬ちゃんのこと好きなんじゃないの？」


『…好きですよ？』


及「んー？ちょっと理解にすれ違いがあるかな？
恋愛的な意味で狂犬ちゃんのこと好きなんじゃないの？』


『れっ…？！』





その単語に、瞬間顔に熱が広がった。




及「あれ、自覚してなかったの？
こればっかりは流石の及川さんも何もできないから自分で頑張りな。」


『はい…』





熱が収まらない。

及川さんとすれ違いで来た京谷さんに顔を向けられない。




京「なした？アイツになんかされたか？」


『や、なんでもないです…』




熱い頰を両手で抑えて俯く。



京「帰るべ。」


『はい…』








2人で体育館を出た。

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