怖がりちゃんは狂犬を好きになった

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部活帰り、近所の公園から変な音が聞こえた。


何かを堪えるような小さい声みたいな。


野良猫でもいんのか、と思い覗いてみると白い何かがいた。








人か？




目を凝らすと、うちの女子の制服。



岩「おい。」



声をかけると大きく肩を震わせた。








『ごめ、なさい…ごめん、なさ、ぶたないで、おねがいします、ごめんなさい、やだ、たすけて』



聞き覚えのある過呼吸気味の声。



岩「七瀬か？」



頭を守るようにして蹲る七瀬だった。



岩「七瀬、岩泉だ。わかるか？
大丈夫、怖くないぞ。
顔上げろ、何も怖くないから。」



優しく、怯えさせないように声をかけた。



『い、わいずみ…さん…？』



怯えきった顔で見上げる七瀬。

いつだったか、食堂で会ったときからは考えられない表情だった。



動揺を悟られないように笑いかける。



岩「おう、なんかあったか？」



『かあ、さんが…あぶない、どうしよ…
かえらないと、でもあのひといる、』




譫言のように呟く七瀬に只事じゃないとわかった。




岩「とりあえず、家来いよ。
暗いしここじゃ危ねえ。
それからお前の親御さんに事情説明しろ。」









.
七瀬を支えて荷物を持って足早に家へ帰った。

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