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Aはどこに行ってもモテモテだった。
小学生の頃は真っ赤なランドセルに綺麗なロングの髪の毛を被せて歩いて、男たちをメロメロにした。
中学生で髪をバッサリ切ってボブにして垢抜けたいの！と身だしなみに気を使いだして、男たちをさらにメロメロにした。
ここまでは良かった。
俺と慎太郎で男たちを牽制できたから。
Aって可愛いけど大我と慎太郎がいるから近づけないよなみたいな存在だった。
でも高校からは、出会う人の範囲が広くなった。
メイクを覚えて、キラキラした高校生と大学生を満喫するAはそりゃもうモテた。
俺はAと高校は同じだったけど大学は違うところへ行った。
だけど慎太郎はAを追っかけて高校受験も大学受験も猛勉強のすえに同じ所へ行った。
そんな慎太郎がAのことを一番知ってるのは否定できない。
Aを目で追いかける慎太郎を嫌という程見てきた俺がいるから。
Aに彼氏ができる度に、どんな男？って下心のない幼なじみの振りをして探索してきた慎太郎。
とは言ってもAから彼氏が出来た！と聞いたのは2回だけ。
モテるけど、そんな軽々しく付き合う子ではない。
「でも俺Aの結婚式行けるかなって不安なの」
「慎太郎来なかったら絶対泣くぞA」
「だってAが1人の男の女の子になっちゃうんだよ。誓いのキスなんてどう見ればいいのさ」
「普通に座って前見てればAと樹君がキスするよ」
「きっつ」
どうしようって頭を抱える慎太郎を見てるとなんか笑いが込み上げてくる。
24歳がなにやってんの。
The陽キャって雰囲気と中身は心優しい一途なやつ。
「なんで笑うの。俺結構真剣なんだけど」
「いや、なんか可愛いなって」
「なんも可愛くねえよ」
「結婚式行ってちゃんとおめでとうって言うことが慎太郎の24年の片思いの一番いい終わり方なんじゃない？」
「24年って。まあそうか」
なんとなく無駄にでかい慎太郎の背中を叩きたくなる。
24年よく思い続けたな。慎太郎
「いくぞ！」
「えっ、なに！いっった！！」
「喝入れたった」
「先に言ってよ」
結婚式まで1ヶ月。
慎太郎と二人で新しいスーツでも買いに行こう。
Aに二人ともイケイケだねっていってもらおう。
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作者名：yurima | 作成日時：2023年10月25日 18時
