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・゜・08・゜・ ページ10

【作者視点】





_とある家にて_




部屋にはレコードの音楽が鳴り、
椅子に座って対面し話す男2人。
1人は草摩藉真。もう1人は...。


「先代の猫憑きを祖父にもたれた貴方だ。
御理解していただける筈っ」


片足をタンタンッと苛立たせてるこの男は..


「猫憑きは幽閉される手筈。
あれは稀に無い“自由”を与えられているが、
それも高校を卒業すればお終いだ。
その後は...






一生、本家の“あの闇深き部屋”で生きていかせる」


草摩夾の父親だ。
その目は鋭く、まるで憎しみしかない表情をしていた。


夾父親「藉真殿。その際には御協力を..」


藉真「..少々、気の早いお話。
卒業まで後1年以j」




ガタッンッ




夾父親「私は不安なんだ!!」


勢いで立ち上がったせいで
机に置いてあった湯飲みを溢す。


夾父親「もしも、あれが
このまま外で生きる事を許されたらと考えるとっ!

あれは...あれは化け物だぞ!?
自分の母親を..私の妻をっ!彼奴はっ」


怒りで声を荒げる夾の父親。

それを見ず、静かにお茶を飲む藉真。


夾父親「こんな事が許されるのか..っ!」


藉真「...」


夾父親「全てあれのせいなんだ。
あれのせいで...全てが壊されたんだ」


藉真「..似ていらっしゃる。
ほんの少し前の夾に、貴方は似ていらっしゃる」


夾父親「なt」


藉真「不安や怖れを抱えきれず
耳を塞ぎ目を閉じ、他者に押しつける。

けれど、あの子は変わりつつあります。

漸く絶望から立ち上がり歩みだそうとしている。
成長しようと...。

貴方は御変わりにならないのか。

御子息を責め立てておきながら、
なぜ自らを省みようとはなさらない」


夾父親「わ、私が悪いと言いたいのか!?」


藉真「あの子1人を責めるのは如何なものかと申したのです」


夾父親「ハッ!まるで父親の様な口を利く!
だが知っているぞ?
貴方があれを引き取ったのは金の為だという事を!

猫憑きといえど、十二支の子供を育てる者は多額n」


藉真「どう言われようと
あの子の成長していく様を喜ばしく思う私が
あの子を幽閉する協力など出来る筈がありません」


そう言って去ろうとする藉真。


夾父親「!慊人様、当主が黙ってないぞ!」


藉真「誰であろうと、この身1つで守るまで。
...親の心を持たずにおられる貴方には理解できますまい」


部屋を出た藉真。


夾父親「許されるものか..」






「勝手に上がらせてもらいましたよ」


夾父親「貴女様は...っ」


つづく

・゜・09・゜・→←・゜・07・゜・



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さくは - 今日見つけて、全部読みました!フルーツバスケットの愛され少ないのでとても楽しませてもらいました。更新楽しみにしてます。 (2021年9月30日 22時) (レス) @page12 id: 1be519a88d (このIDを非表示/違反報告)
k.k - 面白いです!アキトとの絡み、楽しみです〜。 (2020年10月18日 9時) (レス) id: db3fbbd863 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ハム桜 | 作成日時:2020年10月4日 19時

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