【銀魂】先生と呼ばせてください(END2) (ページ2)

今日:6 hit、昨日:4 hit、合計:11,366 hit

先生と少年2 ページ2

｢ええと……晋君？あとで僕達も遊ぶから、ちょっと待っててください｣

｢そうアル晋ちゃん、すぐ行くヨ｣

｢やくそく！｣

晋君は嬉しそうに座敷の奥に消えていった。先生はそれを愛おしそうな目で見つめていた。

それから僕達は再会を喜んだ。先生はあれからずっとそこで晋君の面倒を見ながら穏やかに暮らしているそうだった。また子さんと武市さんは後片付けやらなんやらで忙しいことも多いらしかった。

｢あの先生、僕は桂さんに、赤子を拾ったって聞いたんですけど……｣

｢ええ、聞きたいことは分かります。言うまでもなくアルタナです。ですが微量で、せいぜい成長を早めるくらいの効果しかありません｣

｢じゃ先生は？先生のアルタナはどうなってたアルか？｣

｢限りなく少ないです。私、あれから特訓して、地球からアルタナを吸収する量を調整することを覚えました。もう、普通の人間と変わりません｣

それから僕は、晋君に関する奇妙な話を聞いた。晋君はまた子さんに拾われてこの方この家しか知らない。当然、先生達に教わったことしか知らないはずなのに、それ以外のことを知っていることも多いらしいのだった。言葉、漢字、歴史、教養。

｢間違いなく……あの人の記憶が｣

｢記憶そのものが残っているわけではなさそうですが、不思議なものですね。この調子だと何かの拍子に全て思い出したりして……｣

それが喜ばしいことなのかどうかは、その時の僕には難しい問題だった。晋君にはこのまま穏やかな暮らしを送ってほしいと思いつつ、銀さんのことを考えるとどうにも別の考えが浮かんできた。でも銀さんにとっての高杉さんという人間はきっとあの人1人きりで、たとえこの晋君が将来彼そっくりになっても、おそらくなるだろうけれど、銀さんにとっては別物でしかないのだろう、とも思った。

晋君は待ち遠しかったのか時々僕らの様子を見にきた。

僕達はとりあえず自己紹介をして、それから屋敷の裏の森で遊んだ。晋君は元気真っ盛りで、鬼ごっこなんかで30分も走り回っても元気だった。真っ先にダウンしたのは武市さんで、最後まで残ったのは神楽ちゃんだった。

｢また来ますね｣

｢次はもっと面白い遊び教えてやるアル｣

晋君は目を輝かせて喜んだ。

次は銀さんも、とも一瞬思ったが、口にはしないでおいた。