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「臭いとかじゃなくて」
「びっくりした！でももも香水とかもライブ以外ではつけてなくない？」
「そういう匂いとはちがうんだけど、」
いつからか、感じるようになった匂い。
「あまったるい、匂い」
「甘いの？」
「頭に響くくらい、あまい匂い、しない？」
「…わかんないけど、」
星輝くんもわからなかった。
このことを悠仁にはなしたときも同じ反応だった。
僕だけが、感じる匂い、
「それが、苦手なんだと思う。もちろん嫌いとかじゃなくて、」
きょとんとする星輝くん。
どうして伝わらないんだろう。
あまくて、手を伸ばしてしまいそうになる匂い、
きっと、堕ちたら抜け出せない
そんな気持ちにさせられるんだ。
「あ！いたー」
ドアが開いて、入ってきたのはももちゃんだった。
「この前ロケ行ったときのおみやげ、どれがいい？」
おいしそう、というより可愛らしいお菓子が並んでいる。
「俺のこれにするーありがともも」
星輝くんがひとつ手にして、みっちーは？と促してくる。
「…じゃあこれで、」
いちばん地味に見えたそれを選べば、ももちゃんはにこっと笑う。
ほら、この匂い、
「はーい、じゃあ練習お邪魔しました！」
「もも見てけば？」
「んーん、わたしもやんなきゃ」
僕がこんな態度だから、きっとももちゃんは気を遣ったんだ。
いつもそうだ。どんな態度をとったってももちゃんは大人で、
「ももちゃん、」
「ん？」
「お菓子、ありがとうございます」
ふわっと、ももちゃんの表情が明るくなるのがわかった。
「っ、どういたしまして」
星輝くんに言われるくらいの態度、ファンの人から反抗期なんて言われていることだって知っている、
だから、ちゃんとしなきゃ、そう思うのに、
…だめだ、危険信号のようにより濃くなる匂い、
「あまい、」
このきもちを知るときは来ないで
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あんな(プロフ) - 楽しみに読んでいます。 (2023年1月25日 22時) (
レス) id: 2a8575220a (このIDを非表示/違反報告)
あん - いつも楽しみにしてます。これからも頑張ってください!!応援してます!! (2022年6月5日 20時) (レス) @page35 id: 4011f316a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みみこ
| 作成日時：2022年1月27日 19時
