・ ページ12
・
｢なんで避けるの？」
｢…そんなことしてない」
俯いたままのA。表情は見えない。
｢してるじゃん。朝から俺が声かけても無視するし、俺なんかした？」
黙るA、
｢こっち見てよ」
所謂顎クイ。無理に顔を上げたAは真っ赤なほっぺで下唇を噛んだ。
｢っ、やだ」
｢え？」
｢ひやま、ちがう人みたい」
瞳に涙が浮かぶ。
｢え、なに、」
｢…髪」
｢あ、これ？」
映画のために短く切った髪に明るい髪色。
うんと小さく頷く。
｢…かっこよくて、やだ」
｢…え？」
やっとわかった避けられてた理由。竜生の悪いことにはならないってこういうこと？
だったら、少し調子に乗っても許される？
｢かっこいいから避けてたの？」
手を頬に滑らせて顔を近づければさらに水分が多くなる瞳が俺から逃げようとする。
｢っ、」
｢逃げないで、ちゃんと見て？」
｢、やだっ」
｢Aに目逸らされるって思ってたけど、それってAが俺のことずっと見てたってことだよね？かっこいいから見てたの？」
｢っ、」
｢ちゃんと言って？俺避けられて寂しかったんだから」
唇に指で触れれば耳まで真っ赤になって、薄く唇が開いた。
｢ひやまかっこいいよ」
あまりAが俺を褒めることってないからストレートな言葉に言わせた俺まで思わず恥ずかしくなる。
｢、いった！いったんだからはなして！」
俺の手から離れるAの背中に手をまわしてぎゅっと抱きしめた。
｢…Aはずるい」
｢え？」
｢これ以上好きにさせないでよ」
身体を離してまた視線を合わす。ちゅっと唇を重ねた。
｢もっと、俺だけ見てて」
｢…ももしんじゃう」
｢ふふ、かっこよくて？」
｢、ひやまきらい」
｢俺は好きだよ」
愛しさを詰めこんで、もう一度唇を重ねた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1261人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「少年忍者」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あんな(プロフ) - 楽しみに読んでいます。 (2023年1月25日 22時) (
レス) id: 2a8575220a (このIDを非表示/違反報告)
あん - いつも楽しみにしてます。これからも頑張ってください!!応援してます!! (2022年6月5日 20時) (レス) @page35 id: 4011f316a7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みみこ
| 作成日時：2022年1月27日 19時
